五色ヶ原(北アルプス)
2009.9.6〜7

コースタイム
6日 市民P→車(RV)→扇沢7:20〜室堂9:20→一の越10:15→浄土山11:05→龍王岳11:30→
    獅子ヶ岳14:10→ザラ峠15:20→五色ヶ原山荘16:10
7日 五色ヶ原山荘6:35→平の小屋10:00→ロッジくろよん15:00→黒部ダム15:30(16:05トロリーバス車)

 この夏は天候不順のため、アルプスの満足な山行は出来なかった。不完全燃焼な気分で夏
山が終わってしまうかと心残りだったが今回、ようやく大パノラマに恵まれた室堂から浄土山〜
竜王岳〜獅子ヶ岳〜五色ヶ原〜黒部ダムの大周遊に満足出来た。


  展望台から立山
扇沢の始発に乗り、大勢の観光客に混ざり、途
中の展望台から雄大なアルプスの峰々を仰ぐと
私の心はアルプスの空気にすっかり溶け込んで
いくようだった。



  室堂から立山

室堂から石畳の道を浄土山に向った。どうしたの
か歩き出して直ぐに脚が重く息苦しい。もう何時
間か歩いたような疲労感で体が重く感じられた。

写真を撮って遅れてもメンバーに追いつくことが
出来ない。いやー!どうしちゃったの?




  別山のかなたに剣岳


一の越から浄土山の緩やかな斜面がきつく長く
長く思えた。途中から後ろに剣岳が大きく迫り出
してきた。立ち止まって何度も何度もその迫力あ
る姿に惹き付けられる。



  右の奥が五色ヶ原

遥か遠方にこれから向う五色ヶ原が、原の右隅
に五色ヶ原山荘がマッチ箱のように小さく見た。

竜王岳をピストンし、ランチタイムだ。
こんな体調のときはザックがやたらと重く感じる。
食後はザックが軽くなるかと期待したが殆んど重
量は変わらない。


  
雄山                 龍王岳の右に雄山


      龍王岳山頂

鬼岳の山頂は巻き道を、稜線から立山連峰が素
晴らしい。
私の最初のアルプスがこの立山の縦走だった。
雷鳥沢の下りで、登山靴に指があたって親指の
爪が真っ黒になって数日後に爪がそっくり剥げて
しまった。その時も今日のように快晴ですっかり
アルプスの虜になってしまった。

獅子ヶ岳の下りは急斜面でザレて歩き難い。
振り返って獅子岳を見れば急な山肌に登山道が
稲妻の如く走り下りている。丸太の梯子や鎖があ
るが心配はない。


午後になると富山側はガスに覆われ始め、信州
の風に押されて越中のガスは尾根を越えること
ができなかった。

ザラ峠は岩屑でざらざらしているからと名づけら
れたそうだ。
富山城主佐々成正が秀吉に囲まれ、家康に援軍
の依頼の際、冬の厳冬期に越えたと言われてい
る歴史とロマンの峠だ。現代と違って装備も食料
も無い時代にこんな険しい峠を越えられたのだろ
うか・・・一説には安房峠?では・・・
いずれにしても昔の人の気迫は凄いな。

    
          獅子岳から龍王岳              ザラ峠へ下る


    草紅葉の始まった五色ヶ原

ようやく平坦な五色ヶ原に出た。木道を行くと前
方に五色ヶ原山荘がはるかに見えた。

シーズンオフの平日とあって山荘は私達の他に
3,4人の宿泊者がいるだけだった。

お風呂もあってトイレは燃焼浄化式で小屋は快
適だ。
 夜、窓から満月が煌々と明るすぎて星が遠慮
がちで満点の星空は霞んでしまっていた。






翌朝、青空は何処までも広く、アルプスの一角に
こんなにも広々した草原台地があるなんて考えら
れない。
夏のハイシーズンは一帯が高山植物の花の饗宴
で多くの登山者で賑わっているのだろう。だが朝
日に染まる五色ヶ原は静まり返り、チングルマの
穂先が朝露に濡れ輝いている。


   
     赤牛岳


赤牛岳、薬師岳などの雄姿に別れを告げ、いよ
いよ黒部湖に向ってひたすら下りの道だ。

途中で密集するベニバナイチゴの実が真っ赤に
熟れて、ブルーべりーの実も食べごろを迎えてい
る。座り込んでブルーベリー狩が始まってしまっ
た。まだまだ先が長いぞ。
樹林の切れ間から鹿島槍ヶ岳が顔を覗かせる。




     平の小屋

平の小屋に到着。ここは対岸への渡船場でもあ
る。釣り人や登山者に利用されているようだ。
小屋からちょっと下ると、直ぐに丸太の梯子が始
まった。

急な下りの後はちょっとの登りがきついものだ。
左側は岩壁、右はダムへ切れ落ちて細い登山道
は昨年歩いた下の廊下に似た雰囲気だ。



ようやくここから平坦な道かと思うが、地図上では
平坦そうで往路、復路とも同タイムになっている
が、ダムに沿ってアップダウンがきつい。
樹林の中で眩しい太陽を避けられ唯一の救いだ
った。時々湖から吹き上げてくる涼風に癒され
た。





エメラルドの湖に白い遊覧船がゆったりとさざ波
をたて、絵のような風景だ。

見上げれば群青色の空に針の木岳〜赤沢岳の
稜線が迫力に溢れていた。

今度はあの稜線を歩きたい!
自分の体力も考えず夢は夢です。





幾つ梯子のアップダウンをこなしたかわからな
い。中ノ谷、御山谷の大きな沢は豪快な音が山
中に響き水量は豊富だ。
増水時は要注意とあった。


     黒部湖からダム

ロッジくろよんの青い屋根が見えてもなかなか到
着しない。

ロッジには綺麗なトイレがあり、休憩に最適地
だ。ここから先は林道で平坦な道がダムまで続く
ので、自販機でビールをゲット。旨い!汗ばんだ
体の五臓六腑にしみわたるようだった。

ここからは紛れなく平坦な道になった。
ダムの堰堤を目の前にし、遠くに鹿島槍ヶ岳を
眺めながらフィニッシュのトロリーバス乗車口に
向った。

    
      イワギキョウ          トウヤクリンドウ         ミヤマトリカブト

    
     ミヤマコゴメクサ        タテヤマリンドウ          イワツメクサ

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