大天井岳〜横通岳
2009.7.18〜20
憬れの表銀座コースへ胸を膨らませて登山口の中房温泉へ
8人を乗せたワゴン車は高速道をまっしぐらに進む。
梅雨明けのこの3日間は天気予報はまずまずの天気だった
ところが2日前になって予報はガラッと変わってしまった。
リーダーの晴れ男に期待するしかない
登山口に近づくに従い空模様はあやしい

第一日目

既にこの天気にかかわらず中房温泉の駐車場は満車状態だった。
待機していた回送業者に下山予定の上高地へ
依頼し、いきなりの雨具の着用だ。

重い足を引きずりながら見覚えのある登山口から
傘をさし燕山荘へ向う。




 合戦尾根は北アルプスの3大急登の一つでもある。以前に訪れたときもこの急登は雨だっ
た。第一、第二、第三ベンチをを過ぎると富士見ベンチだ。大勢の登山者に混じり、我々はい
つも通り追越され隊だったが、次第に追越し隊に変わっていく。
 雨脚は次第に強くなり、合戦小屋に早お昼になった。さすが今日は名物のスイカには手が出
ない。

 燕山荘でトイレ休憩、ちょっと靴を脱ぎトイレを借用しているうちにメンバーのKさんの靴が消
えてしまった。山荘は丁度団体の受付で玄関は大混乱していた。山荘の好意で靴を借用で
き、今日の宿泊予定の大天荘に向った。

   
           コマクサ                    シナノキンバイ

 尾根に出ると、天気は回復どころか最悪だ。強風と横殴りの雨に叩かれ、風雨はますます強
くなるばかりだ。
 突風に煽られ思うように先に進めず、かなり体力と時間の消耗だ。稜線の砂礫に小さなコマ
クサが健気にたくましく風に煽られながら咲いていた。私達も強風に耐え岩にへばり付きなが
ら飛ばされないようにゆっくりと背中のザックカバーのバタバタする音を聞きながら山荘へ到着
したのは5時近かった。




鎖、梯子、雪渓を過ぎると山荘

 第二日目

昨夜もずっと風雨はおさまらず、低気圧は居座り続いていた。今日の予定はこのコースの核心
部を行くのだ。この悪天候では尾根は大変危険だ。3日ほど前から北海道のトムラウシ、美瑛
岳で遭難者が10人も亡くなっている。その直後だから慎重な行動をしなければいけない。結局
相談の結果は山荘に連泊しコースの変更をすることにした。回送業者に常念岳登山口の一の
沢登山口に変更をした。
 終日、小屋内で風雨の音を聞きながら過ごすことになった。昨年も白馬岳でやはり悪天候の
ため停滞経験をしたから驚くことは無かったが、驚くことはツァーの登山者が強風の中出発し
たり、また到着することだ。他の登山者は一旦は出て行ってもあまりの風に身の危険を感じ、
戻ってきたりしているのだ。

 第三日目

昨夜は隙間風にリーダーの銀マットを枕元に囲い寒さから救われた。銀マットはリーダーがた
だ一人テント泊りのため持参したのだが強雨風のためテントを張れず思いがけず私達のお役
に立ったわけだ。

   
雲海と朝焼け



大天井岳

 今朝4時45分ご来光を拝み、10分ほどの大天井岳の山頂を踏んだ。
やさしい神様は、2日分の素晴らしい展望を充分すぎるほどプレゼントしてくれた。
 常念岳班と横通岳班に分かれることにした。私は常念岳は紅葉の最盛期に蝶が岳まで歩い
ているので今回は横通岳にした。

横通岳に山頂標識はなかったが三等三角点はあっ
た。
今日、映画「剣岳」を観賞し三角点設置の大変な苦労
に感動した。今まで何となく触っていた三角点の柱石
を今後は心こめて手におさめてきたいです。



横通岳の三等三角点
 後方の山は大天井岳


 ここから槍ヶ岳は目の前に、そして表銀座コースの尾根が見渡せた。横通岳で槍ヶ岳を欲し
いままに写真撮影した。ちょっと乗りすぎでしょうか?
       

北に頚城山塊、鹿島槍ヶ岳、目前に槍ヶ岳、穂高岳、乗鞍岳、中ア御嶽山、南に富士山、南ア
ルプス、八ケ岳、西に浅間山、四阿山と素晴らしい展望だった。

  


  

  


 常念小屋に常念岳班と待ち合わせしたが、時間がかなりあるので私も常念岳に登りたくなっ
たがリーダーから固く止められてしまった。と言うのも私の膝を心配しての判断だった。

 まっ、我慢しよっと、諦めをつけるためビールを飲み始めたときでした。上空に救助のヘリが
飛んできた。昨日、蝶が岳から一組の夫婦が常念岳に来る途中、奥さんは低体温症で動けな
くなり付き添いのご主人が強風に飛ばされ胸を強打し肋骨を骨折、自力で小屋まで来たそう
だ。今朝も強風でヘリの到着は遅くなったのだろう。
 上空にホバーリングしヘリから救助の人が速やかに下りた瞬間は感動しました。そしてご夫
婦をあっという間に引き上げて立ち去っていった。いやー格好良かったですね。ミニドラマのヒ
ーローたちに心から拍手を送りたい!!




 ここから槍ヶ岳、穂高岳にさよならして一の沢に下山する。樹林のなかの胸突き八丁の急な
下りは痛めている膝にはきつい。リーダーから常念岳を止められたときはショックだったがそ
れで良かったのだと感謝する私だ。


 彩雲:雲の一部が虹のように淡く輝いて見える現象。
     縁起が良いと言われる。
  
美しく神秘な彩雲                  常念岳

胸突き八丁の急傾斜が終わると雪渓や沢が幾つも現れ丸太の木橋を渡り返した。
樹林の中は小さな花たちが次々に姿を現して3日間の私達を労ってくれたようでした。ゆっくり
と写真を撮りながら展望と花と雲に感動した1日は3日分を凝縮した時間だった。


    


登山口から駐車場まで15分くらいだったが、この車道歩きは疲れた身には結構きつかった。
駐車場に回送されたリーダーの車を確認したときはホッとした。ところが後続の3人がそれから
40分経っても到着しなくて、続々と来る登山者に聞いても3人の姿は見かけなかったと? え
ー!何処へ消えてしまったのだろうか?3人は駐車場を見落とし更に30分も下ったとか・・・
元気に驚きです。
周りの登山者たちは登山口まで車で一緒に探していただいたり、親身に心配していただき心
から感謝!感謝でした。





初対面のオオヤマレンゲ



  
      オオヒョウタンボク           クルマユリ               イブキトラノオ


  
       クモマスミレ             タカネグンナイフウロ          ニッコウキスゲ


  
      センジュガンビ              サワギク               ギンリョウソウ
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