鳴 神 山
(980m)
2009.1.12

    過去の記録   1995.2.11 駒形登山口
                         1998.3.15 木品登山口           
                  2001.3.31 鳴神山〜吾妻山

コースタイム 市民P7:30→車(RV)木品登山口9:10→大滝9:20→肩の広場10:50→山頂11:05〜11:50
         →仁田山岳12:10→裏肩2:25→こつなぎ橋13:15→木品13:30

鳴神山の山頂に初めて立ったとき、山頂からのあまりの展望に息を飲むようだった。360度の
大パノラマ。上越国境の山の白銀に輝き、日光方面の男体山、筑波山の双児峰が幻のように
浮かび、富士山、北岳、八ケ岳、浅間、そして近くに赤城山と、あれ程の展望はあれ以来お目
にかかっていない。今回は数日前降雪があり、期待大きく行ったのだが・・・・


 数日前から身を切るような寒さで早朝の集合の山行は敬遠しがちだ。以前ほどの覇気がなく
なってきているのは確かなようだ。


        大滝
鳴神山は信仰のらしく木品登山口には大きな
石の鳥居があった。この先は私有地のため駐
車は出来ないとあった。路肩に車を停め、鳥居
をくぐり、林道を歩き出した。数年前の記憶は
薄く、林道が左右に分かれて一瞬迷ってしまっ
たが、大滝は左の新しい登山道に入り10分ほ
どで落差10mくらいだから大滝といえないかも
しれないが、水量は想像していたより多く綺麗
な滝だった。
滝を右に回りこみ、傾斜は次第にきつくなり、
数日前の雪が薄く山肌を包み込んでいた。



荒れたゴーロの道は歩き辛い、時々道は崩れ
足場の良い所を探しながら慎重に進む。両脇
から崖が迫り陽射しは少ないが、風が全くなく
次第にメンバーたちは一枚二枚と上着を脱
ぎ、私の額もしっとりと汗が滲み始めた。
肩の広場が近くなる頃、カッコ草の復元地にロ
ープが張ってあった。
カッコ草の花の咲く時期に是非来て見たい


    朽ち果てた避難小屋


肩の広場の避難小屋は雪の中に見るも無残
に朽ちてしまっていた。悪天候時は山頂付近
の避難小屋は本当にあり難いのだが・・・

肩の広場に二つの鳥居があり、右の鳥居をく
ぐり山頂へ向った。わずかな距離だが山頂直
下は急斜面で左側が切れ落ちているので慎重
に一歩一歩両脇の潅木を頼りに上がった。

山頂は3組のパーティーが休憩していたが
我々13名の賑やかな団体にいつの間にか姿
は消えていた。その中に登山口で会った単独
者の方から下山のコースのアドバイスを頂い
た。

      
   鳴神山頂              仁田山岳の二つの祠と山頂標識


山頂には4つの祠が鎮座し、内一つはぐらぐらしていつ壊れてしまうか、昔の人の思いは現
代に伝われていないのだろうか。
山頂の展望は袈裟丸山方面が見えるのみで期待はずれであった。しかし今日は未踏のこつ
なぎ橋に下るのでまだまだ期待が大きいが凍り付いていたらどうしようと不安があったが、
先客の単独者の話では木品コースよりこつなぎ橋のほうが道は歩き良いと言うことだ。
賑やかにランチタイムを終わり、ジッとしているとじわじわと寒さで体が冷え込んでくると、皆
ザックを背負い始めた。山頂から2,3分下った所に分岐があって右に座間峠の標識があっ
た。鳴神山が双児峰だったとは全く知らなかった。本峰が桐生岳で直ぐ隣の仁田山岳だ。
この山頂には二つの祠が仲良く並んでいた。

  

         裏肩の広場


裏の肩まで雪道を慎重に下る。辺りは枯れ枝
が寒々している。裏の肩に祠がぽつんと寂しそ
うに佇み、直進は座間峠へ左は赤芝へ、私た
ちは右のこつなぎ橋に向って下る。
    
        小さな滝が冬景色を演出

手入れの行き届いた杉の植林の中を下るとここにもカッコ草の復元地があった。暗い杉林
の中をひたすら下ると小さな石積みされた段々畑があって、石積みの間から水が滴り落ちて
その水は清らかな湧き水のようだ。そのはずここがわさび田の跡らしい。

 沢を何回か渡りかえし小さな滝の流れが目を楽しませてくれる。ナメ滝やしなやかに数段に
落ちる水は何処までも清らかで惜しげもなく流れ落ちている。その水は静寂で寡黙な冬の山
に喜びを与えている。こんな小さな山の何処から水が湧き出すのだろうかと不思議な気がす
る。
 沢に迫る左右の急傾斜の杉は天に向かいすんなりと素性良く伸びやかだ。暗い杉林のイメ
ージはその端正な杉で打ち消され、上空から差し込む陽射が谷底を明るくしている。

ようやく林道に飛び出すと右にに小さなこつなぎ橋だ。木品方面に歩くと道沿いに古い石碑
や庚申塔が歴史を感じさせる。

こつなぎはし

庚申塔
林道の左の崖下に古びた民家が点在し沢と共に息づいている。1日の大半を両脇の山の陰
に覆われるが、今丁度太陽の光をいっぱいに浴びて幸せな瞬間に喜びに満ちているようだ。
 15分くらいの林道歩きで、のんびりとゆっくりとした山行は木品の石の鳥居で終わった。






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