下の廊下
2008.10.25〜26日

コースタイム
25日
 浜川P〜マイカー〜7:00扇沢7:30〜トロリーバス〜黒部ダム7:45→内蔵助出合9:10→鳴沢小沢10:05→
 新越沢合流点10:45→白竜峡12:15〜13:00→十字峡14:00→S字峡15:00→東谷吊り橋15:35→仙人ダム
 16:00→阿曽原温泉小屋17:00 (泊)
26日
 阿曽原温泉小屋5:00→大太鼓8:30→鉄塔下9:50→欅平駅11:08  欅11:46〜トロッコ〜電車宇奈月13:00


昨年、台風のため計画倒れになった下の廊下は
またも予報は雨 (ToT) リーダーの晴れ男に期待するしかない
幸いにも早目の低気圧の通過で登山日和になった

扇沢から始発のトロリーバスに乗り、10分余で黒部ダムに到着した。構内から登山者専用通
路を抜けると眼前に聳え立つアルプスの姿に驚く。
この黒部ダムを境に上流を上の廊下、下流を下の廊下とと呼ばれ、下の廊下を歩くことができ
る時期は残雪の状態によるが9月〜10月と限られているのだ。日電歩道と呼ばれ黒部川の
電力開発のために作られたものである。

  

25日(1日目)

堰堤に下りながら、リーダーは今日は絶対に追越さ
れないぞと力強い言葉。\(^o^)/
観光用のダムの放水は終わっていたが、その巨大
なコンクリートの壁を見上げ再び驚く。
その言葉から30分も経たないうちにカメラのシャッタ
ーがバチバチして後続隊に次々と追い抜かれてしま
った。



ま、仕方ないわ。山肌を染める紅葉は半端じゃない
のだ。
表現力のない私には言葉が見つからない。


緩いアップダウンを繰り返しながら、何度か河原に
下りたり、眼下の黒部川の清流の美しさに
立ち止まったりなかなか前に進まない。
この黒部の流れは鷲羽岳のあの一滴から始まって
いるのだ。



内蔵助出合
1時間くらいで内蔵助出合に到着した
大勢の登山者が休憩している


次第に高度が増して、梯子や桟道になってきたが
まだまだ高度感がなく、恐怖心は湧かない
危険箇所にはワイヤーが張ってあり、心配はない
が、一歩誤まれば完全にこの世とおさらばだ。

岩壁からしなやかな滝が幾つも現れる。
紅葉と岩肌と滝のコントラストが絶妙だ。


水平道も左の岩壁から小滝が流れ落ち、飛沫が飛
び散って来る。


新越沢合流点付近はまだ河原に大きな雪のブロッ
クが残っている。
水平道は一部崩壊していて高巻きの道を行くように
張り紙があった。
おッ!!コワッ!!
私たちは幸いにも高巻きせずに下の道を慎重に通
過した。


  
次々に現れる景色に足は遅々として進まない
まだまだ先は長いぞ

たった一箇所雪渓を歩いたが、ここに阿曽原小屋の
人が宿泊者をチェックしながら、危険箇所でアドバイ
スしていた。
一人ずつの通行で大渋滞だ。



十字峡吊り橋
吊り橋は一人づつ渡らないと、ゆらゆら揺れて
深い谷に落ちてしまいそうだ



十字峡は黒部川に剣沢と棒小屋沢の合流する所だ。もっと豪快な流れかと思ったが、ちょっと水量が少ないようでがっかりです。


半月沢を過ぎると谷はますます深く幅も狭まって高
度感が出てきた。何回も桟道や丸太の梯子を渡り
慣れてきたためか緊張感は薄らいできた。しかし、
油断は禁物だ。何といっても落ちたら最後だ。
ここがS字峡だろうか?
渓流に見惚れているうちに分からないうちに通過し
てしまった。
このあたりだったか?熊出没の張り紙が幾つもあっ
て、何やら熊の糞の匂いが鼻を付いた。こんな逃げ
道のないところで熊ちゃんにで遭ったらクマッチャウ
なぁなんてくだらない事を考える余裕さえ出てきた。




よくもこの絶壁に道を作ったものと
恐々下を見ながら驚いてしまう



東谷吊り橋
東谷で水平道でが終わり、やれやれと胸を撫で下ろ
す。
東谷吊り橋を渡り、車道のような幅広の道から隧道
に抜けると仙人谷ダムに到着した。



坑道内
ダム内のトンネルは高熱隧道で硫化水素が立ち込
めてサウナに入ったように暑い。
トンネル内の坑道はさすが関西電力だ。坑内は明る
く、二度電車の踏切を横切った。
ここに職員寮があって、調理場の湯気の中に忙しそ
うな白い帽子のコックさんの姿があった。



 
権現峠まではきつい登りが続き、峠から、今度は濡
れ落ち葉の急斜面の下り、この下りが水平道より怖
かった。
夕闇迫る頃、やっと阿曽原温泉小屋に到着した。

お楽しみの温泉は5時半から女性、ヘッデンを手に
15分山道を下り、真っ暗な露手風呂に浸かった。
せめて月でも出ていたら良かったのに・・・・


入浴後、小屋まで急な坂道を登って、またひと汗掻
いてしまった。喉はカラカラ、乾杯のビールは思わず
ロング缶になってしまった

26日(2日目)

朝5時小屋を出発したが、いつもの事ながら前夜な
かなか寝付かれず安定剤を飲みすぎて記憶が薄く
て大太鼓の辺りまで覚えていない。
真っ暗なトンネルをヘッデンを頼りにヒタヒタな水に
浸かりながらボヤッーと歩いたようだった。
    困ったものです(;_;)


再び岩壁のへツリの水平道が始まる。



水平道をカラフルな登山者の姿が一列に並んでいます
いくら仲良しこよしでも二人並んでは歩けません
すっかりこの道に慣れて恐怖心は全くなくなってしま
ったが、紅葉の美しさには相変わらず感動の連続で
した。


水平道が終わる頃、遥かに後立山連峰の盟主が姿
を現して、この夏歩いた八峰キレットのダイナミック
な鋭鋒に再び魅了された。


水平道から一気に欅平に下るが、2日間の長丁場
の緊張感で膝はガクガクし濡れ落ち葉の下の石に
足を取られたら、下まで転げ落ちてしまいそうだ。

大太鼓の付近から遥か下に見えた欅平に到着した
のは11時を回っていた。

以前、観光でこのトロッコ電車に乗車し、登山姿の人を羨望の眼差しで見つめたいた私だった
が大勢の観光客の中、今日はなんとなく誇らしい気持ちでホームを歩く私でした。

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