鳥海山・羽黒山
2008.9.6〜7

コースタイム 
1日目 浜川PAM4:00   鳥海山鉾立P10:30
鉾立登山口10:35−賽ノ河原11:40−御浜小屋12:55−七五三掛13:50−鳥海山神社16:00−鳥海山16:30−神
社17:10−七五三掛18:20−御浜小屋19:15−鉾立21:10  鉾立   酒田市 「田田の宿」22:00
 

 相変わらず天候不順が続き、昨年同様鳥海山は山頂を踏むことが出来ないのではないかと
思った。メンバー20名を乗せたマイクロバスは東北道をまっしぐらに北に向かう。予報は今日
の天気はまずまずらしい。急遽、明日の羽黒山と予定変更になった。しかし、鳥海山は行動時
間は10時間である。大丈夫なのだろうか。不安があったが、ベテランリーダーの判断に任せる
しかない。登山口の鉾立に到着したのは既に10時を過ぎていた。
 




    鉾立登山口
登山口の鉾立から展望台までコンクリートの整備さ
れた遊歩道が続いている。展望台からはガスで何
も見ることが出来なかった。石畳のように割れ石の
敷かれた道は延々と続いて、上空は青空が広が
り、太陽が眩しいくらいに照りつける。鉾立は(標高
1150m)すでに森林限界を抜けているので木陰は全
くない。汗は額から噴出し、ぽたぽたと絶え間なく滴
り落ちる。久しぶりの暑さと3週間山歩きをしてない
ためか体調は良くない。標高差1086mをこの調子で
登ることができるだろうか。


     チシマザサの草原
 
笹原の草原が広がり気持ち良い稜線に出ると冷やかな風に包まれ、いくらか気分は良くなった。チシマザサの草原の遥かかなたに駐車場の車が光って見える。尾根を渡る風、そしてアキアカネが飛び交い秋の気配だ。

 鳥海山は秀麗で出羽富士とも秋田富士とも呼ばれ、緩やかな裾野を長く引き高山植物、残雪、東北の名山として充分な魅力を持っている。数年前に訪れたときは山頂付近で雨が強く新山まで行くことが出来なかった。今回はこの時間ではタイムリミットで途中引き返すことになるのでは・・・・



      お浜神社
 2時間あまりでお浜小屋に到着。ここは直ぐ下に鳥海湖、辺りは花の時期はさぞや素晴らしかったであろうお花畑が広がっていた。
 ウメバチソウ、ハクサンフウロ、ハクサンシャジン
キスゲなどほんのわずかだが待ちわびた様子で私達を迎えてくれた。


鳥海湖

七五三掛(しめかけ)は谷コースと外輪山コースの分岐になるが私たちは谷コースへ進む。谷コースの千蛇谷は夏でも雪渓が残り、右には外輪山の火口壁が迫っている。左上には新山が荒々しく、とても麓から見る優美な外観から想像もできない。






千蛇谷を登りあげる頃、メンバーの一人が体調が悪くなりリーダーが付き添いここでリタイヤすることになってしまった。
アー、残念!!リーダーは今年も新山を断念しなければ・・・(;;)
そして、リーダー代行に私が指名(-_-;)
 


 断りたいと思ったが、リーダーの胸中を思うとここは最年長としての意地、がんばらなあか
ん!と自分自身叱咤激励し前進することにした。
それにしても、ここまでのペースでは途中で引き返すことも、空模様も気にしなければならない
し、雷雨でもしたらどうしよう・・・・・

歩き出して時間は5時間、皆疲れが出ているようだ。しばらくして列は乱れ始めてしまった。休
憩の指示のないままM氏が座り込んでしまっている。しかし、この周辺は休憩には適地でない
ようだ。なぜなら左上には大きな岩が今にも落ちてきそうに斜面にゴロゴロしている。
ここは足早に通り過ぎたい所だ。





空は雲が広がり始め何とか明るいうちにこの辺りまで下りたい。










ようやく大物忌神社(おおものいみ)に到着。
数年前にここで豪雨のため敗退した。懐かしい御室小屋だ。今はトイレはバイオになり清潔感があった。
ここで後続隊を待ち、新山に向かうことにした。
ザックはデポして行こうかと悩んだが、水と雨具は持参せねばならない、荷物の仕分けに手間取るので背負って登ることにした。





小屋から岩塊の積み重なった岩に取り付いた。
白いペンキの矢印を目当て急な岩を足場の良い石を見つけながら上に進む。
 下山は大丈夫だろうか?心配になった。

山頂かと思ったら、まだまだ先があった。
ここから10mほどの岩の切り通しを下り、鞍部から
少し登りあげたところが新山山頂だ。
 山頂の人がザックは置いてきた方がいいよ
と指示してくれた。もう山頂は指呼の間だ。
 窪地に全員ザックを纏め、山頂へ向かった。



切り通しから続々と這いずり出てくるメンバー
  オーイ大丈夫?三点確保で慎重にね・・・・

なんやかや云っても上州の岩場で足慣らししている面々。いとも簡単に新山に到着した。





山頂は狭く、後続隊に譲らなければならないので長居は禁物だ。周りの山は雲の中だったが、山麓の田園風景は稲穂が色づき秋の気配が漂っていた。




山頂から麓の景色


     
   累積した巨石は浮石がなく三点確保で安心。


 心配した新山を難なく無事に全員下山出来た。
ホッとした私は、リーダーへこれから神社を下山する旨を電話した。すると先ずリーダーの一
番先の言葉が「みんな無事かい?アー良かった!よかった!気をつけて」

太陽が山の陰に沈む頃、千蛇谷の向こうからヤッホー!とリーダーの声に“俄かリーダー”の
私はじめ皆元気な声でヤッホー!!心配したリーダーが迎えに来てくれていたのだ。

七五三掛を通過すると一気に夕闇が迫り、ヘッドランプを頼りに暗い夜道をひたすら歩いた。
港町の酒田の灯りがそして遥かに漁火がチラチラと見え、静かな山からの夜景は素晴らしか
った。空には満点の☆☆☆・・・・・・、麓の街の花火が夜空に美しく散り・・・・・・

夜のイルミネーションは変化に富んで
疲れた私達を慰めてくれました


帰宅してからの話に、地元のカメラマンは鳥海湖あたりから
酒田の夜景の撮影のため夜道をわざわざ登ってくるそうである



  鉾立登山口に到着したよる9時過ぎ、鳥海山は闇に
包まれ秀麗な姿は深い眠りに就いていました


宿泊  田田の宿  
    庄内平野の田園風景に建つ温泉施設を備えた宿です。
     夕朝食は別料金

  先ずお薦めは温泉です。 泉質の異なる2つの源泉を石風呂、岩風呂に分けてある。
  無色透明な食塩泉とにごり茶褐色の強食塩泉
   マイナスイオンルームもある
  食事はさすが庄内平野とあってお米が美味しい。



 羽黒山  

昨夜宿泊地の“田田の宿”に到着したのは夜10時を過ぎてしまった。温泉は10時までなので入
浴は出来ないと諦めていたが、宿の計らいで空き室の2室のシャワールームを提供していただ
き汗を流すことが出来た。翌朝は6時から温泉に入れると聞き、私が目覚めると皆さん温泉へ
いち早く出かけていた。 茶褐色の強食塩泉は体にしみ込み効き目がありそう、そしてマイナ
スイオンルームはゆったりと寝そべりここも疲れが一気に取れるようです

田田の宿を出て今日の目的の羽黒山へ向かった

羽黒山は山岳集修験の山、月山、湯殿山とともに出羽三山の一つである。
随身門をくぐり、森閑とした境内は霊験漂う杉の木立の中を行く。
赤い神橋をの右の奥にしなやかな須賀の滝があった。
さらに奥に進むと国宝五重の塔のどっしりした姿があった
  
        
                   神橋                五重の塔


ここでバスに戻り、バスで山頂へ向かう組と
表参道全長1.7kmの2446段の石段から山頂へ向かう組に分かれました。
私は勿論表参道組です
バスを下りるとき既に登山靴に履き替えてしっかり歩くつもりでした。

樹齢1000年の天然記念物“爺杉”は逞しい姿です
爺杉あるからには婆杉もあるはず、探してみたが姿はなかった。
婆杉は台風で失われたそうな・・・・・
婆杉に2代目をどれか命名してあげたら良いのに・・・・

長い石段の両脇に樹齢350〜500年の大きな杉並木が続いています。
石段の傾斜は緩いが登っていると汗がタラタラ・・・

小雨がしとしとと降り、薄暗い杉の木立はゆっくりと一人で静かに歩きたい
杉の木陰から修験者がひらりと現れそうな気配がしてくる
石段の途中に右に神秘的な雰囲気の良い小道が続いて思わず引き込まれそうになった。
山頂でバス組が待っていなければちょっと奥に入り込みたい道でした。

                


写真のような小さな神社が木立の中に幾つもあります。歩いているだけで何やらご利益があり
そうです。
 山頂に立つ三神合祭殿に参拝し、今日の山行は終わりです。
 お参りして祭殿から下りるとバス組が到着しました。

三神合祭殿       国の重要文化財です


月山、湯殿山、羽黒山の三神を祀ってあります
高さ28m、厚さ2.1mの萱葺き屋根は東北随一
のスケールを誇っています。内部は総漆塗りで
一見の価値があります

 
そして本降りになった国道をひた走り、どんよりした
日本海を眺めながら我が家へ急ぎました。

長時間運転のリーダー本当にお疲れさんでした



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