|
標高1000mの軽井沢町の気温は−8℃を示
していた。ウーッ!さむッ!
あたりの田畑はうっすらと霜を冠り寒々した風
景である。
中軽井沢の駅でトイレタイム。ここで登山靴に
履き替える。登山口が寒かろうと言うことで・・・
ところが標高1400mの峰の茶屋は風もなく
穏やかな小春日和そのものだ。 |
|
幅2,3mの道に雪がちらほら散在している。
上空は真っ青の空、雲ひとつない。絶好の登山
日和である。期待で胸がワクワク。小浅間山の
分岐から四阿山がどっしりと見える。
小浅間は冬枯れの姿で浅間山と対峙してい
る。 |
|
樹林を抜けるとはるかに浅間の真っ白に輝く
頂、ウアォー!!
いいぞ!いいぞ!こんな天気は滅多にないぞ。 |
|
志賀方面の山並、谷川岳が真っ白に、光っている。
火山特有の砂礫に小石の山肌は歩き難い。
傾斜が次第にきつくなる。
まだまだ元気である。
日頃頭痛を感じたことがない私なのに首筋が冷えたのか、少々頭痛がしてきた。 |
|
展望は益々素晴らしくなる。近視の私は眼鏡を
置いてきたのが悔やまれた。キャタピラの車輪
の跡が何処までも続き、始めはこの跡を辿って
いたのだが、斜度を増すごとに山腹をジグザク
歩きになった。
行けども行けども景色は変わらず、キャタピラ
の跡はあの世の先まで続いているようだ。 |
|
傾斜がきつくなり、と同時に風も強くなった。
歩き良い場所を選び、次第に7人はバラバラに
山肌に散らばってしまった。風は強いだけでなく
冷たく、頬は氷のように冷たく、言葉も思うよう
に喋れない。脇を通り過ぎるS氏に話しかけて
も返事が返ってこない。後で聞いたら返事も出
来ない状態だったと・・・・頭痛は酷くなり、にも
かかわらずお腹は空いて、なんと卑しい私なん
だ。 |
|
先頭のMちゃんは元気そうにぐんぐん上に行
く。これ以上行けば行くほど上は強風間違いな
し。休憩するまでシャリバテになりそう。
しゃがみこんで私はコロッケパンにかじりつくこ
とにした。もう、私はバテバテ状態。はるかかな
たで撤退するぞー。
飛ばされて、爆裂口に落ちてしまうかもしれな
いと、10数年前覗いた不気味な火口壁が思い
出された。
下山開始となると早いものだ、、砂塵を浴び
て正面の小浅間めがけて走るように下りる。靴
が真っ白になり埃高き女も台無しになってしま
った。 |