2005.7.16〜18前夜発
コースタイム 16日 奈良田発5:25バス〜広河原6:40⇒二股9:00〜9:20⇒八本歯のコル11:40〜12:25⇒北岳
13:45〜13:20⇒北岳山荘16:00(泊)
17日 北岳山荘6:00⇒中白根6:40⇒間の岳7:55〜8:05⇒⇒農鳥小屋9:10〜9:25⇒西農鳥岳
10:45⇒農鳥岳11:25〜12:15⇒大門沢分岐12:50〜13:00⇒広河内岳13:25〜13:35⇒大 門沢分岐13:55⇒大門沢小屋16:55(泊)
18日 大門沢小屋5:45⇒三つ目の吊橋8:00⇒バス停8:45⇒駐車場9:30
12年前この広河原で私たちは低気圧の真っ只中、登ろうか止めようかと思案にくれていた。背後を小学生を連れた
ファミリーが登山口に向かって行った。あんな子供が行くのなら私たちだって大丈夫。風雨の吹き荒れる中、その夜 の肩の小屋はガタピシと一晩中うなり声を上げていた。翌日、山頂から見た大きな富士山の姿は私の脳裏から離れ たことはない。もう二度とこの山に来ることはないだろう。いえ、来ることは出来ないと。
奈良田のバス停 上方に二股の雪渓山頂はガスの中 二股から八本歯へ登山者の列
広河原から樹林の中、大樺沢の豪快の沢音に招かれて山頂を目指す。以前は二股から草すべりに入ったが、今
回は八本歯のコル経由だ。見上げると山頂はガスの中、雪渓がはるか上方に見える。あんな上まで歩けるだろう か。
八本歯のコルへいくつも丸太の梯子を上る
後ろに秀麗な富士山
ようやく八本歯のコルに到着。目の前に北岳から続く大きな間ノ岳の姿があった。期待してなかったこの景観に
感動の渦が胸中に広がり、思わず涙が滲み出た。12年前北岳山頂から延びた稜線を明日は歩くことが出来るのだ。
コルから間ノ岳 北岳山頂
生憎山頂はガスの中で展望はまったくなかった。でも、私の脳裏にくっきりと12年前の富士山の姿は残っていた。
ガスの中を山荘に向かい急降下した。小屋は混雑して布団一枚に二人、幸い私は部屋の隅でゆったりと寝ることが
出来た。
翌日は雨予報だったが、雨の変わりに風が猛烈に吹き荒れた。思うように足は進まず、苦しい登りが続いた。
しかし、曇天ながら、間ノ岳からの展望は素晴らしい。重畳な山並みはさすが南アルプスだ。南アルプスの千丈岳、
甲斐駒はもちろん、富士山、北アルプスの槍ヶ岳、鳳凰三山、八ヶ岳、中央アルプス、秩父連山、360度の大パノラ マだ。
雪渓の後方に花崗岩が輝く鳳凰三山 間の岳山頂 強風に飛ばされそう
南アルプス北岳核心部を闊歩する
間の岳から富士山 農鳥小屋から農鳥岳稜線
この日は終日富士山は私たちにお付き合い頂いたのであった。農鳥小屋から農鳥山頂までが一番苦しい歩行であ
った。
農鳥山頂から 間ノ岳、北岳の対照的な山容 広河内岳山頂
大門沢の分岐から約一時間で広河内岳にピストン。三つのピークを超えるが、疲れた足には少々堪える。途中でリ
タイアを考えたが、もう2度と来ることは出来ないだろうと、「ハーィ!ハーィ!ハーィッ!」掛け声よろしく自分に叱咤 激励しアップダウンに耐え忍ぶ。
大門沢分岐から小屋まで急斜面を下り、沢音が大きくなると今宵の宿大門沢小屋はすぐだった。
途中の河原で大休止 大門沢小屋 小屋の窓から茜に染まる富士山
ささやかな朝食(生卵、焼き海苔、漬物)を済ませ、いよいよ今日は最終日だ。汗にまみれた体は温泉が待ち遠し
い。小屋からの下りは丸太の梯子、丸太の危なげな橋、吊橋とバラエテー溢れた登山道だ。
危なげな丸太の橋 危険な為、一人づつ渡る吊橋
奈良田温泉は駐車場のすぐ近く、下山した登山者でごったかえしの浴室、
せめてお風呂はゆっくりと入りたかったよー。
出会った花たち
ミヤマハナシノブ 黒百合 イワベンケイとミヤマオダマキ
これは白馬と北岳にしかない花
イワツメクサ キバナシャクナゲ
チングルマ タカネヤハズハハコ タカネナデシコ
この他、クルマゆり、ミヤマキンバイ、ホタルブクロ、コケモモ、コキンレイカ、コイワカガミ、タカネグンナイフウロ、
イワオトギリ、ハクサンチドリ、しろうまオオギ、オヤマノエンドウ、ヨツバシオガマ、モミジカラマツ、イワツメクサ、
等々・・・・
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