余 地 峠
                                             2004.10.23
   
 この峠は、標高1268m、群馬と長野の県境の稜線上に立地し、上州は熊野道、佐久側は
余地峠道と呼ばれている。江戸時代の古絵図には、甲州通りと標記してあるのもある。
戦国時代、武田信玄が上野侵略の軍用道路として使われたとか。
その昔を懐古する時、勇み立つ駒のいななきと戦士達の雄叫びが聞こえてくるようだ。
 今、平坦なこの峠で私達は、円陣を組み団欒のひとときを過ごして、次々に周ってくるご馳走
に、舌鼓を打っている。なんと平和なのどかな峠だろうか。

 南牧村自然活動センターの広い駐車場から車道を少し下がり左の林道にはいる。車輌進入
禁止のゲートの脇から4〜5分も歩くと、左に雑木林に入るやさしそうな道があった。私達は峠
まで林道歩きの予定であった。しかし、左のこの道は山好きの私達には、見逃せない入り込み
たくなるような道だ。予定を変更し、周回コースになった。足を痛めしばらくぶりの私は、山のひ
んやりした空気、いくらか色付き始めた木々はすべてが心ワクワクするようだ。ミズナラ、ホ
ウ、トチノキなど空に向かい、競い合うように大きい。やがて道は木の階段が続き、勾配はや
たらと急になった。「ううっ、私の足大丈夫かな?」少々不安になった。登りきった所が峠かとお
もきや、そこから林道の合流点まで下りの道が待っていた。下りはやはり痛めた足にはきつ
い。ゆっくりと慎重に下りる。ようやく林道に出て、そこからは歩き易いなだらかな道になった。
辺りのもみじの赤が雑木林に一際目立つ。ここまで来ると山秋の気配が濃くなってきた。
 途中、台風でやられたのだろうか、大きな木が根こそぎ倒れ林道を塞いでしまっている。リー
ダーは持参の鋸で枝を切り落とし、登山道の整備。大きな幹の下を潜り抜け私達は予定より
大分遅れて12:20峠に到着。

                     
        余 地 峠

 帰路は登山口まで歩き易い林道歩き、2時過ぎ駐車場に到着。私の足慣らしには丁度良い
山行だった。
下山後、2時半にNHKの1000人のメッセージの撮影の約束があり、既にNHKのスタッフは到
着していた。私達は2班に分かれメッセージの収録は無事に終ったが、あまりに慌ただしく、メ
ッセージをあれもこれもと言い忘れてしまったことが悔やまれた。

 宿泊のコテージは快適で日帰り組の私達はなんだかここで一夜を過ごしたくなるような雰囲
気だった。別棟の”またたびの湯”は展望もよく、窓から、碧岩、大岩や立岩などの山並が圧巻
だった。窓際のもみじが紅葉したら、見事であろうかと思われる。

 入浴後コテージで新人さんの歓迎会の最中、地震があったが、これが新潟で大惨事になっ
たとは夢にも思わなかった。








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