昨夜どしゃぶりの雨音を夢うつつに聞いていた。
予報どおりの雨模様の中、私たちは韓国岳の登山口に向かったが、風雨は強く、1時間余り
バスの中で待機状態だった。近隣の山であれば即、中止であるが私達7人は韓国岳に向うこ とにした。
しかし、あたりは真っ白な闇の世界である。硫黄臭の漂う賽の河原を過ぎ樹林帯に入るとす
ぐに2合目の標識があった。ここからは足もとはゴロゴロの溶岩の道に変り注意しながら歩く。 樹林の中、風雨は余り気にならないのが何よりだ。各合の間は10分位で、標識に力付けられ ながら、6合目まであっという間だった。辺りは森林限界を超えたようで、キリシマツツジの群落 が続く。まだ蕾は固く、花の時期は、一面ピンクに染まり素晴らしい景観で登山者の目を楽しま せてくれるだろう。登山道の左は噴火口で切れ落ちているのだろうか木の柵がしてあったが、 相変わらずのガスに包まれて皆目見当がつかない。山頂は吹き曝しの岩稜の中、風雨は更に 強く体を引き裂くばかりに歩くことさえ侭ならない。晴れていれば霧島連峰の最高峰、韓国岳は 眺望抜群で遠く韓国まで見渡せるので付けられた名前とか・・・・強風になりふり構わず記念写 真におさまると、Yリーダ−は岩陰に入りランチタイム。この暴風雨に一刻も早く下山したいと 思う私たちは、無邪気に2個目のおにぎりをほおばるリーダーを急き立てて早々と山頂に別れ を告げた。
駐車場へ向かう私の胸に何の感動も無かった山なのにじわじわとした満足感が広がったの
は何故だろうか。
えびの高原はピンクのキリシマツツジが地面に這いつくように可憐な花をふるわせていた。
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