戸沢登山口 広い駐車場があり、小屋の裏から1209mのピークを目指す。尾根に出ると視界
は開けて、ヤビツ峠からの従走路を眺めることが出来た。行者岳から続く鎖場を下りる人の
姿がよく見える。尾根は思いのほか風が強く、水筒の水が凍り始めていた。塔の岳からの富
士山は頭は雲に覆われて容易に全容を見せることはない。南は相模湾が輝き、はるか房総
半島、新宿から横浜までビル群が広がっている。今夜の蛭ヶ岳山頂からあの街の夜景を望
むことができるだろうか。
あまりの寒さで尊仏山荘に飛び込んだ。暖かい甘酒に冷えた体は一気に温まった。
昼食後、小屋裏の急な道を駆けるように丹沢山に向かう。以前このあたりに鹿が数多くいた
のだが、今日は日高付近に親子連れを一組見ただけだった。ブナ林の続く道を左に富士山
を見ながら歩く。まもなく広い山頂の丹沢山に到着。
丹沢山から蛭ヶ岳まで急なアップダウンがあり、鬼が岩の岩場の下りは低気圧の通過で
突風が吹き荒れて、岩にしがみついていないと吹き飛ばされそうだった。
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夕食後小屋のテラスから期待通りの100万ド
ルにも優る夜景を眺めることが出来た。一面
に広がる宝石箱をひっくり返したようなネオン
の輝きは思わずため息が出るようだった。
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翌朝の外気温は−14度。凛とした空気の中大きな富士山がモルゲンロートに輝いていた。
予定を変更し、小屋を後にして塔の岳まで戻ることにした。
昨日の強風はすっかりおさまり、上空には一変の雲も無く、富士山は終始秀麗な姿を見せ私達を喜ばせてくれた。
塔の岳は今日も大勢の人の姿で賑わい、私達は360度の展望を心ゆくまで楽しみ、陽だまりのコーヒーの味はまた格別だった。
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