鳳 凰 三 山          2003.9.6〜7

青木鉱泉を予定どうり7:30出発。ドンドコ沢から鳳凰小屋に向かった。駐車場からゲートを抜
け、林道を沢沿いに進む。小武川の上流奥深く迄砂防ダム工事がおおがかりに行われてい
る。沢から右の樹林に入ると山廻りの道と合流した。
小さな沢を二つ渡ると、道はだんだんと傾斜を増し急登になった。最初の滝の南精進滝が豪
快な音を立て樹幹越しに望まれた。登山道は更に急勾配になった。私達の他に登山者は居な
いのだろうか。鳳凰の滝を過ぎる頃、ようやく休憩している数人の登山者に会った。もう、疲れ
て滝を見に行く元気がないと言っていた。白糸の滝、最後に一番見応えあるの五色の滝に到
着。もう、このあたりが一番きついところでもあった。滝を過ぎると道は次第に緩やかになって
歩きやすくなった。樹間越しに地蔵岳のオベリスクが目に入った。アーッ!やっと来た。写真で
このオベリスクを見るたびいつか行ってみたいと思っていた。今年の目標でもあったから・・・・・
ヤナギランの群生に見惚れ、ふっと前を見ると今夜の宿、鳳凰小屋が現れていた。小屋の前
のベンチで既にくつろいでいる人、水場は、惜しげなく溢れ出る水の音。なんだか、疲れは吹っ
飛んでしまったようだ。
時間はまだ、1時を過ぎたばかりだ。地蔵岳まで1時間ばかり、ザックを軽くして、出かけること
にした。シャジン、トリカブトが秋の風に揺れている。オベリスクがいよいよ大きくなった。山頂
近くは、ザレ場で、思うように足は進まない。ガスが立ち込めてきて視界は悪い。明日に期待
することにし、オベリスクの美しい姿を胸に刻む。山頂は子授け地蔵が何体も置かれている。
子宝に恵まれない人がこれを持ち帰り、子供が授かると2体にしてここにまた運んでくるのだそ
うだ。少々不気味な感がしないでもないが、毎年のように重い地蔵を背負い奉納している人が
いるそうだ。
 赤抜けの頭までは10分足らず、そこからのオベリスクはまた、一段と迫力があった。
       
      オベリスク                          子授け地蔵

小屋に戻り、ビールで乾杯!!なんと飲み手揃いで瞬く間にビールの空き缶が溜まってしまっ
た。ベンチの脇にタカネビランジが、色鮮やかに咲いていた。もう、遅いかと諦めていたが、こ
の出会いは、思いがけず感動ものだった。この花との初めての出会いはやはり、南アルプス
千枚岳だった。小雨が降る中、一面ガスに包まれ展望がなく気持は憂鬱そのものだった。そん
な時に足もとに淡いピンクのタカネビランジが、瓦礫のあちこちに見られ、感激した。
 
 翌朝6時、小屋の水場の脇を下り、沢を渡るといきなりの急登だ。このエスケープルートはも
っとなだらかな道を想像していたが、早朝のまだ目が覚めない体にはきつい。倒木やえぐれた
道はかなり体力を消耗する。荒れた道をゆっくりと尾根に向かう。あたりはダケカンバの林が
朝陽に輝き目に眩しい。
       
       ダケカンバの林                     タカネビランジ
観音岳の展望は期待通り、白峰三山が大きく、富士山、中央アルプス、北アルプス、八ヶ岳が
真っ青の空の下に広がる雲海に浮かんでいる。素晴らしい展望を思う存分に楽しむ。
そこから薬師岳迄は、快適な尾根歩きだ。右に北岳を仰ぎながらの稜線歩き、途中に始めて
みる鳳凰シャジンの鮮やかさにに感激。 這松の緑と白い花崗岩のコントラストが素晴らしい。
これだから山は止められない。
 
                  薬師岳山頂にて               

     
  雲海に浮かぶ富士山      観音岳と甲斐駒          鳳凰シャジン

広い薬師岳は人影もまばらでほとんど私達で独占、ここから下山の中道は展望なしの樹林の
中だ。ここで充分展望を楽しみたいと時間をたっぷりとって飽きることなく景色に見入った。
           
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