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            カタクリの花咲き乱れる
角 田 山
                                      2003.4.13



長い清水トンネルを抜けると、あたりは一面の雪景色に変っていた。空はどんよりと重く、昨日の予報のあの晴マー
クは何処へ?
登山口の巻町は日本海に近く桜が満開で意外であった。前橋と同じ位の陽気なのだろうか。
角田山は花の名山で登山口はいくつかあるが、私達が入るこの五ヶ峠は比較的歩き易く、花も多いコースらしい。駐
車場の車の台数からこの山の人気がうかがい知れた。
新潟はまだ雪山ではと思っていたが、登山道には、雪は全く見当たらず、足元にはスミレ、雪割草、カタクリの花が
そこここに、いくつか咲いていた。もう、山にも春が訪れてきたのだ。
花を愛でながら更に高度を上げると、山の斜面は、薄紫のカタクリの花が、所狭しと、咲き乱れている。雑木林に遊
歩道があり、花の間を散策できるようになっている。キクザキイチゲ、イカリ草、ヒトリシズカ、ショウジョウバカマも姿を
見せ、可憐な花の饗宴が始まった。昨日の雨で登山道は泥濘で足元はヌルヌルと、いつ滑るかとはらはらしながら
も、皆、カメラを片手に右往左往している。


              
    
     イカリ草                    カタクリの花                  雪割草

今日は時間の余裕があり、足元の花をゆっくりと眺められるのが何より嬉しい。明るい雑木林に一面に日本海から吹
き上げてくる強風に耐えて健気に咲くカタクリに愛おしさを感じた。
 花も多いが、山頂園地と名づけられた広場は、人であふれかえってる。こんな人が多い山も珍しい。
 下山は、灯台コースへと向かう。こちらも登山道は泥沼状態で、傾斜は急で慎重に歩く。
山の斜面はまだまだカタクリの群落が続いている。やがて歩き易い乾いた道に変わる頃、前方に日本海がいちだん
と大きく広がってきた。海岸線を縁取る白波は、美しい弧を描いて、絵の様である。山腹から大海原を眺めていると、
心は大きくなって、日頃の些細な鬱積はどうでもよく、明日の活力が湧いてくるようだった。爽やかな風を全身に浴び
ながら、私は角田岬の白い灯台を目指して海底に続くような道を一気に下った。 



   
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