袈裟丸山      

折場コース     1992.3.18
郡界尾根コース  1998.5.10
寝釈迦コース    2000.6.10
郡界尾根コース  2003.5.10
郡界尾根コース  2008.5.12
折場コース     2009.5.16


郡界尾根コース
2008.5.12

コースタイム 郡界尾根登山口7:30→八重樺原7:55→見晴岩9:30→後袈裟丸山山頂10:15〜11:00→
         石祠12:05→登山口13:20


 久々の平日山行で静かな山とアカヤシオに期待が出来そう。
国道120号線を渡良瀬渓谷鉄道小中駅前を左折する。大滝のT字路を左に進むと、二股に
分かれたところに途中に全面通行止めの標識があった。てっきりこれは右方向のものと思い
込んだ。私たちは左へ更に奥に進む。進むほどに路上には大小さまざま石が転がっている。
見上げれば落石がいつ起きても不思議のない崖だ。恐々と登山口に到着した。

  登山口周辺の雑木林はきれいに伐採されて、Kさん
が登山口にコシアブラがいっぱいあったと言ったが
見当たらない。
登山口から丸太の階段が続く。
 萌黄色の緑の中に三つ葉ツツジが素晴らしい。

丸太の階段を登りきると、笹に白樺、カラマツが点
在し、ここからの尾根歩きが好きである。
辺りはまだ冬の装いである。
アカヤシオは咲いているのだろうか。
以前訪れたときも、この辺りで感じたものだったが、
進むにつれてアカヤシオのトンネルだったのだ。


   

樹林に真っ白のムシカリの花が清々しい。

咲いていました。朝靄の中にピンクのアカヤシオが
幻想的に広がっていた。

尾根から見下ろすと両脇の斜面にも山肌を赤く染め
抜いていた。


深い笹を踏み分けて行くと、登山道は雪道になっ
た。昨日日光は雪の便りを聞いたが、この袈裟丸
山もうっすらと雪化粧したのだった。

 最後の急登を雪まじりの道を歩いたためか、久し
ぶりに疲れを感じた。

前袈裟丸から2人連れが上がってきた。八反張りの
シャクナゲはまだ咲いていないそうだ。

展望は全くなく、後袈裟丸で往路を下山することにし
た。

帰路は大滝に立ち寄る予定だったが落石箇所は新しい落石が増えて、通行の妨げの石があ
って、退かしながら進む羽目になった。

ところが、全面通行禁止の標識のゲートだ。3人がかりで動かしてやれやれと思ったのも束の
間、先はアスファルトの工事で通り抜けることが出来ない
昨日誰かがゲートを開け、入山し帰りに閉めずに行ったらしい。

結局、私たちは悪路を戻り、沼田方面に下り途中から大間々町へ向かったのだ。

しばらくは郡界尾根登山口までの道は落石のため通行は控えたほうが良いかと思います。





寝釈迦コース
2000.6.10
コースタイム 登山口7:30→賽の河原9:30→山頂11:40


         
          八反張りのコル付近のシャクナゲ                      右の細身?が私


 午前6時、予定とおり袈裟丸山へ向けて参加者6名が2台の車にぶんじょうし、出発する。車
窓から仰ぐ空は今にも雨が落ちてきそうだ。歩行時間7時間30分の長丁場を雨具を着て歩く
ことは、辛いものがある。山行変更か、中止を心のどこかで願っている弱気な私であった。午
前7時30分登山口に到着。身支度を済ませ軽いストレッチをして私はリーダーのすぐ後ろにつ
いた。もはや雨が降らないことを祈るしかない。

 薄暗い杉林の下を落ち葉を踏みしめながら、塔ノ沢を右に左に見下ろすように歩くこと50分
程で寝釈迦に到着。寝釈迦は大きな石に彫られた4メートル位の大きさで谷に頭を向けて横た
わっていた。沢から吹き上げてくる快い風にホッと一息する。ここから先は渓流の濡れた石の
上を何度も渡渉を繰り返し、絶えず爽やかな瀬音と小鳥のさえずりを耳にしながら歩いた。2,
3回コマドリの鳴き声らしきものも聞いた。あたりは進むほどに霧も深くなり新緑の木立は霞ん
で幻想的な風景に変った。やがて、リーダーと私の間隔は開き始め、時々姿は霧の彼方に見
えなくなってしまう。振り返れば今日のメンバーはいずれも健脚者ばかりだ。少々不安になって
きた。そんな私を気遣ってか「マイペースでいいですよ」とリーダーの言葉にいくらか気持は楽
になったが、相変わらずリーダーのペースは速い。

 歩き出して2時間で賽の河原に到着。視界がよければここから目指す山頂が見える筈なのだ
が、生憎の天気で残念だ。賽の河原から小丸山への道は両側につつじの木が競い合うように
枝葉を広げ、シーズンにはさぞや見事な景観であろうと思われる。それでも名残を惜しむかの
ように清楚に咲いているシロヤシオは新緑に一際冴えて疲れた私を癒してくれた。また、足元
の湿った黒土に散ったばかりの白、ピンク、赤紫の花びらがまるで着物の絵柄のように山路を
飾り、贅沢な気分にしてくれた。

 小丸山で小休止の後、ドーム型の避難小屋を経て、その先は、明るい笹原に白樺の点在す
る美しい雑木林の快適な道である。やがて、このコースで一番の難所の山頂直下の急登。コメ
ツガの根にしがみ付いたり、ロープを頼りに足は重く、息遣いも荒々しく体中から汗が噴出して
きた。11時40分一等三角点の置かれた山頂に到着した。雨の心配もなく、ゆっくりと昼食を
摂る。至福のひと時だ。昼食後、北側斜面にしゃくなげの群落があると聞き、八反張のコルへ
下ること10数分で満開のしゃくなげに出会うことができた。霧の中に深紅の蕾、薄紅色の透き
通るような上品な花が一面に広がっていた。こんなに見事なしゃくなげは初めてだ。夢でも見て
いるような光景で時間を忘れ、ただひとり、そこに佇んで見とれていた。
山に一歩入ると無心になってしまう私だが、このときは長年病床に着いて喜怒哀楽はもちろ
ん、私の顔さえも忘れてしまった母にこの感動を少しでも伝えることができればと思わず涙が
出てしまった。
  
 この山の3つのコースを歩いたが、いづれも危険なところもなく歩きやすい。
特にこの根釈迦コースは所要時間は長いが、豊かな緑、美しい渓流、白樺林そして鳥獣保護
区のため鳥は多く、とても変化に富んだコースである。この袈裟丸山は何度も登りたい山の一
つとなったことは間違いないだろう。今日は展望こそ望むことは出来なかったが、登山者は少
なく静かな山行で思いがけない花との出会いに本当にきてよかったと思った。



                      
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