裏銀座縦走(北アルプス)   (8月13日〜18)

以前から憧れていた裏銀座縦走。出発数日前になり6日間お風呂も入らず歩き続けることが
出来るだろうかと不安を
抱きはじめた。ザックも着替えだけですでに7kg、これに水2リットルと食料を加えると12〜3kg
は軽くオーバーしてしまう。アルプス三大急登の一つブナ立尾根を6時間頑張れるだろうか。期
待とともに不安が大きくなった。

 第1日目 高瀬ダム(6:30)〜登山口(7:30)〜烏帽子小屋(13:00)〜烏帽子山頂(14:3
0)〜烏帽子小屋(15:40)泊


  扇沢に車の回送を依頼し、高瀬ダム間までタクシーにのる。
       登山口にam7:30到着。標高差1200mのこの尾根は登山口から烏帽子小屋ま
で12〜0までの数字の木札があり、それを休憩の目安にした。その為か不安だった急登は、
意外と疲れを感じなかったようだ。樹林帯の登山道に咲くテンニンソウ、ソバナ、センジュガン
ビの花が、疲れを忘れさせてくれる。12/6 を過ぎる頃展望が素晴らしく燕岳、餓鬼岳が望め、
アルプスの雄大な景色に胸が躍った。
 烏帽子小屋に13時到着。サブザックに替え烏帽子岳をピストンする。山頂は直下にくさり場
があるが、たいしたことは無かった。
 
                     
           烏帽子岳                              ブナ立尾根とっつきの登山口

第2日目  烏帽子小屋(5:35)〜三ツ岳(7:00)〜野口五郎小屋(9:15〜10:10)〜野口
五郎岳山頂(10:20)〜真砂岳〜東沢乗越(12:35)〜小屋水晶(13:30)泊

 am5:35烏帽子小屋を後にし、テント場を通り、三つ岳から野口五郎岳へ。そして天気は快晴
で気分も絶好調。左手に大きくゆったりと赤味を帯びた赤牛岳が、その奥に最終日にトライす
る薬師岳が穏かに広がっている。尾根を渡る風は、強いが爽やかで心地よい。振り返ると通り
過ぎてきた野口五郎岳、真砂岳の稜線が絵のような美しさで迫っている。これがアルプス裏銀
座の核心部を実感させる。水晶小屋直下のお花畑にさしかかる頃、一面ガスに覆われて、雨
がポツポツと降り出してきた。混雑を予想された小屋は意外と空いていて、定員に満たない状
態で、夕食まで家族的な雰囲気で山の話に盛りあがった。
                                 
第3日目  水晶小屋(5:25)〜水晶岳(6:00)〜水晶小屋(6:40)〜ワリモ岳(7:55)〜鷲
        羽岳(8:30)〜三俣山荘(9:35〜10:45)〜三俣蓮華岳(11:50)〜
        黒部五郎小屋(13:35)泊

 夜半目覚めると猛烈な雨と風で、小屋が飛んでしまうのではないかと思った。水晶岳は、予
定とおり行くのだろうか。リーダーは、行くことが当然のように朝食が済み次第出発しますと・・・
えー行くの内心水晶岳はこの雨と風ではどうでも良いかなと思い始めていた私です。am5:25
小屋を出発。あたりはガスで何も見えないが岩場を全員無言なまま、慎重に一歩一歩山頂に
向かう。山頂で写真だけ撮って再び小屋に戻る。

 ワリモ岳、鷲羽岳の山頂からは全く真っ白で何も見ることは出来ない。稜線は、吹き飛ばさ
れそうな強風で雨は容赦なく頬に痛いほど降りつける。すぐ近くの岩の間で雷鳥の姿を姿をみ
つけた。ラストを歩いた私はその後もすぐ、別の雷鳥をみることが出来た。
 ようやく、三俣山荘に到着。展望レストランで手づくりケーキに舌鼓をうって、元気を取り戻
す。なんと後で聞いたのだが、ここのケーキは某雑誌にお薦めスッポトで紹介されていたそう
だ。
 再び雨の中、三俣蓮華岳から下る頃、登山道は濁流と化し、靴の中まで水浸しとなった。
樹間に黒部五郎小屋の屋根が見えた時は、ほんとに嬉しかった。小屋の乾燥室は衣類靴が
溢れていた       

        
               チシマギキヨウ                             赤牛岳


第4日目 黒部五郎小屋(5:00)〜黒部五郎岳山頂(7:35)〜赤木岳(12:10)〜北ノ俣岳 
   (12:50)〜太郎平小屋(15:30)泊 

 am5:00 黒部五郎小屋を出発。昨日の雨は嘘のように青空が広がり、前方に黒部五郎岳の
雄姿が私たちを迎えている。カールに残雪をい抱き目の前に迫る山頂に向かう登山者が、斜
面を行き交う姿を見渡すことが出来る。振り返ると稜線上に槍ヶ岳から穂高連峰が大きく見え
始めた。コルにザックをデポして、山頂にむかう。7:35今回3つ目の百名山黒部五郎岳に到
着。遠く白山が雲の上に美しい姿を覗かせ薬師岳に向かう稜線がたおやかに北の股岳へ続
いている。


 
                                            黒部五郎岳の雄姿

  コルに戻り冷たいトマトにかぶりつきながら、穏かに広がるハイマツと笹原に流れる雲が影
を落とし、その速さに見とれる。谷間からあがってくる雲はあたりの山々にまるでじゃれている
かのようだ。大きな薬師岳は、最高の相手にされて時々山頂が隠れてしまったりしている。尾
根を渡る風は何処までも心地よく、足元の花たちははしゃぎまわっているようだ。
 中ノ股乗越までの斜面にはクリーム色のトウヤクりんどうがそこここに散らばっている。今日
の行程は一番長く、疲れも出てきているので、天気も良いのでゆっくりと景色を楽しみながら歩
く。
  この頃から、私は瞼が腫れぼったくなってきた。いったいどうしたというのだろうか。それか
らずーっと目は治らず視野が狭くなってしまったようだ。疲れからだろうか。
                                                        
              
      
    黒部五郎岳より下山途中北の股岳方面                斜面に咲き乱れるトウヤクリンドウ

    太郎平付近は雲の平の雰囲気の景観が続き何処までも続く草原に池糖がいくつもみら
れた。、ワタスゲ、イワショウブ、ミヤマりんどうなど多くの高山植物が咲いていた。はるか彼方
に太郎平小屋が見えてきた。
だが、見えてからたおやかな尾根の木道はいつまでも続いて、気持よい稜線漫歩を楽しんむ。

第5日目 太郎平小屋(5:55)〜薬師岳山荘(7:45)〜薬師岳山頂(8:45〜9:50)〜薬師
    平小屋(1030〜11:00)〜太郎平小屋(12:45)泊

 いよいよ最後4つ目の百名山薬師岳へ。朝もやの立ち込める中、5:25小屋を出発する。
もちろん、水と雨具と少々の食料をサブザックに背負い テント場場まで下り、それからは急登
岩混じりの樹林の中を登る。湿気っぽい嫌な道だ。薄暗い木立に麗人草の白い花が一際目立
っている。薬師岳小屋は、気温9℃で、岩くずの道だが九十九折れに整備されとても歩き易い。

8:45 巨岩の積み重なった薬師岳山頂に到着。北薬師岳の急峻な尾根がすぐ目前に迫っ
て、眼下に金作谷カール、中央カール、南稜カールが素晴らしい、まるで絵に描いたようだ。そ
の奥に黒部の源流の上の廊下が、湧き出でる雲に見え隠れしている。苦労してここまで来た
者だけに与えられた光景だ。
    
     
         山頂から北薬師を見る                      太郎平小屋に続く道


     
          ゴゼンタチバナ                      一面に広がるチングルマの穂

 第6日目 太郎平小屋(6:05)〜三角点(7:50)〜折立駐車場(9:25)
        
 いよいよ今日は下山の日。途中からは立山連峰、剣岳の勇敢な姿に私は魅了された。
登山道の脇にはオオカメノキ、ゴゼンタチバナ、マイヅルそう、アカモノの真っ赤な赤い実に秋
を感じた。


                    
トップへ
トップへ
戻る
戻る



inserted by FC2 system