御 坂 山  (富士三景 天下茶屋より)  
                      H13・4・7
久々の早出の山行で緊張のためか午前1時頃目覚めて、それから寝付かれず不安を抱きな
がら集合場所の獣医師会館にむかった。
 Am5:00 予定どうり出発し、途中の車窓から今満開の桜の微妙な色の違いを楽しんだ。

 Am8:30 旧御坂トンネルを抜けた処にある登山口天下茶屋に到着。ここは、かつて太宰治
が' 富獄百景' を執筆した場所であり、最近はなかなかの人気で土日は、車が置けないこと
があるとか・・・(帰ってから聞いたのだが)
太宰治は、{ここから見た富士は、あまりにもおあつらえむきの富士である。真中に富士があっ
てその下に河口湖が白く寒々とひろがり近景の山々がその両袖にひっそりと、うずくまって湖
を抱きかかえるようにして まるで風呂屋のペンキ画だ・・・}と書いているが、全くそのとうりな
のだ。
 Am8:40 階段状の道を歩き出すと、まもなく{富士山には月見草がよく似合う}  と書かれ
た太宰治の文学碑がある。ここから道はかなり急登となって昨夜の寝不足の為かそれとも先
週重いザックを背負い七時間の山行の疲れが、まだ尾を引いているのか、少々気分が悪くな
ってきた。でも山頂まで1時間位かと気持ちも楽になる。歩き出して20分位で三ツ峠の分岐の
尾根、ここで小休止、ここからは、歩きやすいおだやかな道に変わった
 あたりの木は、ほとんど落葉樹がおおく、シャラ、リョウブの斑模様の木肌が目に付く。梢を
飛び交う小鳥達のさえずりに慰められて、いくらか気分も回復したようだ。
 小さな黄色のマンサクの花がひっそりと咲いている。他にもギブシ、ダンコウバイ、はじめて
目にするフサザクラなど小さくて地味で目立たないこれらの花は、周りの木々が芽吹くこの時
期でなければ人の目に止まることもないかもしれない。そっと手にとって見ると可憐で蝋細工の
ような自然の造形物に、愛おしさを感じた。
Am9:55 1596mの御坂山に到着。そこから5分程黒岳よりに天下茶屋以上の素晴らしい
展望が私達を迎えたくれた。眼下に河口湖、その向こうに雪化粧した富士山は、中腹にひとす
じの雲をたなびかせて、まるで一幅の絵のようだ。風もなく春の穏かな陽射しを浴びながら絶
景を目の前に、ビ-ルの味は格別だ。
 歩行時間も短く、展望は抜群のこの山は、以外と人も少なく静かな山で、是非もう1度積雪の
時期に来てみたいと思った。
 Pm12:25 天下茶屋に戻って富士山を振り返ると山頂は雲に覆われて再び目にすることは
出来なかった。
 

 
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