飯豊連峰         

期 日   H13・8・11〜14(前夜発)
飯豊連峰は、山深い豪雪地帯のため夏も遅くまで雪を残し、短い夏にいっせいに咲き競う花
の山として有名である。そんな飯豊連峰に私は長い間憧れていました。梶川尾根〜門内小屋
〜北俣岳〜大日岳〜本山〜ダイグラ尾根このコ−スは超健脚向きとか、出発間際まで不安
は脳裏から消えなかった。集合場所に向かう途中猛烈な雷雨に見舞われ、せめて出発の時は
星空であって欲しいのに・・・・・

11日  ヒメサユリに大歓声!
AM5:30梶川尾根はいきなりの急登、急登でまだ目も覚めず、4日分の食糧、寝具は重く肩
にのしかかる。五郎清水の美味しい水に生き返りまたまた急登に喘ぎ梶川峰にたどり着く。そ
こからお花畑が一面に広がり疲れも辛さもすべて忘れてしまった。マツムシソウ、シャジン、キ
スゲに混じって淡いピンクのヒメサユリに大歓声。高貴で優雅な姿のヒメサユリに一同はうっと
りとそこを離れがたかった。門内小屋までず―っと続くお花畑と雪渓に見とれながら緩やかな
快適な尾根歩きに変わった。

12日  可愛いオコジョとの出会い
雨音で目が覚める。昨夕の夕焼けはなんだったのだろうか?
雨の中、門内岳、北股岳を過ぎて、梅花皮小屋に到着。雨は結構な降りで、小屋はまだ新し
く、水洗トイレに惹かれてここで1日寝ていたくなってしまった。ここで早めの昼食となった。1時
間休んでいるうちに雨もやみ、再びお花畑の中を梅花皮岳、烏帽子岳へ向かう。途中休憩時
にハイマツの陰から可愛いオコジョが姿を現し、私達のすぐ近くまで跳んだり撥ねたりして、数
分間、愛嬌たっぷりなサ―ビスをして私達を楽しませてくれた。
御西小屋は唯一飯豊の小屋で食事付なので、時間の余裕もあり、花の種類を書き出してみ
た。昨日から見た花は、春から秋の花がなんと50種類にもおよぶほどで宮沢さんに敬意と感
謝。食事に期待しながら水村さん持参のブランデ―に酔い知れているうち、小屋のお兄さん
「お待ちどう様食事が出来ました」と薄汚れたタオルになにやら下げて持ってきた。温めたレト
ルトのカレ―とご飯が1パックづつ。水なし、容器はお持ち帰り、「えッ―、荷物が増えちゃうじ
ゃないのョ」夜、朝の4パックを4日分の自前のゴミと共に下山迄背負っていたのだ。ザックを
開ける度、なまゴミの匂いには閉口した。

13日  広大な稜線、花のプロムナ―ド
サブザックで小雨の中、大日岳へピストン。あたりは、相変わらず展望がきかないが足元のお
花畑は、それ見よとばかりに咲き競っている。チングルマの群落、
ツリガネニンジン、コゴメグサ、ウサギ菊、イブキトラノオ、トリカブト、イワカガミ等など・・・・御
西小屋に戻りここで昼食をゆっくりと済ませ、いよいよ飯豊本山へ向かう。ようやくお天気は回
復して、まわりの山並みが見え、左右に広がるスケ―ルの大きな一面のお花畑の快適なプロ
ムナ―ドとなった。登山道のすぐ脇にはミヤマリンドウ、ここにしかないイイデリンドウの可憐な
花が目に付く。祠のある飯豊本山にようやく到着。

    
山頂から明日下るダイグラ尾根の荒々しい稜線が印象的で、屹立としたピ―クが鋸の歯の如
く(またの名を切歯尾根)見える。またも不安がつのる。
本山小屋で夕食を済ませたあと、広いテント場に石を積み上げた砦のような展望台があった。
そこに大勢のハイか―が、雲海に残雪の大日岳と飯豊本山の間に沈む夕陽を眺めていた。
愛犬"バグ"を連れたオカリナおじさんの吹く"飯豊賛歌"の哀調をおびたメロディ―に耳を傾
け、時の過ぎるのも忘れた。落日はますます神秘に赤くすべてを染め、吸収してしまいそうに
輝いていた。この情景は、オカリナの調べとともに一生忘れないでしょう。

14日 美味しかった レモンティ・トマト  
Am4:00 ヘッドライトをたよりに本山小屋を後にする。いよいよ今回最悪なコ―スダイグラ尾
根に挑戦。上級者長丁場の岩場コ―スと地図にはあるが、果たして無事に下りることが出来
るだろうか。緊張で言葉も少なくなってしまう。この時ほど「あ―あ 鳥になりたい!!」と思った
ことはない。宝珠山、千本峰、休場の峰まで本当にちょっとの気を抜くことも出来ない。こんな
所でどんな些細なアクシデントも許せない。岩場あり、やせ尾根有り、眼下に深い峪有り、慎重
に一歩一歩を確かめるようにして歩いた。樹間から迫力ある石転び沢の大雪渓が眺められ
た。休憩時にリ―ダ−からいただいたレモンティは今回最高のご馳走でした。途中たっぷりな
休憩をとりながら、終着点間近の吊橋が眼下に見えた時は、膝はガクガクで疲れがどっとで
て、歩くことも容易でなかった。無事下山して椛沢リ―ダ−と握手を交わした時、熱いものがこ
みあげて胸がいっぱいになった。不安と恐怖を抱いていたダイグラ尾根は、きつかった反面、
結構スリルもあって楽しめたようだ。
帰路あのオカリナおじさんのお薦めの宿"越後屋"に立ち寄り手打ちそばとサ―ビスの塩たっ
ぷりのトマトに舌鼓を打って、山好きのご主人と飯豊の山や花の話に盛りあがった。
 
                       
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