2001年12月1日
コ―スタイム 国民宿舎7:10〜木戸7:55〜丁須岩(9:35〜10:00)チムニ―(10:20〜10:40) 赤岩(11:00〜11:40) 昼食 三方境13:05〜国民宿舎14:40 峨々たる奇岩怪石を連ねた岩峰の妙義は、榛名山、赤城山と共に群馬を代表する山である が、妙義はその山容から、私には遠い存在であった。数年前、 機会があって大雪の翌日、谷急山に登った。無雪の時、是非また来てみたいと思っていたが、 再び登ることが出来た。これが,裏妙義に興味を持つきっかけとなったのだ。 今回、山行案内をみて胸は躍ったが、最近妙義での、転落死亡事故は、谷川岳をこえるほど 多いと聞いている。岩場の苦手な私なのに、なぜか不安も覚えず即、参加申し込みをした。 国民宿舎の片隅に車を停め、身支度を整えて、私達6人は、杉林の緩やかな登山道を歩き始 めた。あたりがすっかり葉を落とした雑木林に変わると、両側に裏妙義の岩壁が、天に向かい そびえたっている。いよいよ、裏妙義の核心部にきた緊張感で、身が引き締まる思いであっ た。道も傾斜を増しゴロゴロした大岩の黄色のペンキを辿りながら進むと、鎖場も次々と現れ、 背後には、表妙義の荒々しい岩峰が凄い迫力で聳え立っている。長い鎖場を過ぎると、丁須 岩は、真近であった。丁須岩のテラスから、真っ白に輝く浅間、谷川連峰、西上州の山々、八 ヶ岳 素晴らしい景観が、私達を魅了した。 そこから20分程で今日のハイライト20mの垂直の鎖場チムニ―に到着。下を覗くとごつご つした岩の間に長い鎖が見えた。これくらいなら大丈夫かなと思ったが、リ―ダ―は、途中腕 力が失くなることがあるからと、ザイルを使うことにした。ザイルをつけた安心感もあって、スリ ルを十分味わって、愉しい気分で下りることができた。ここで時間を費やして全員下りきった 時、上部で人の声がして、3人の登山者が下りてきた。誰もいない静かな山行と喜んでいたが このあといくつかのパ―ティに出会った。束ねたザイルを持ってみると思いのほかザイルはず っしりと重く、リ―ダ―の責任感の重さが感じられた。私は縦の鎖は、大丈夫だが、岩場のトラ バ―スはどうも苦手なのだ。というのは、体力測定で握力、敏捷性、柔軟性など若い人と同等 だが、それに比較してバランスが悪いという結果を知ってから、やせ尾根や、トラバ―ス道は、 苦手というより、慎重になってしまった。 赤岩、烏帽子岩直下のトラバ―スは、足元が、しっかりしていたがリ−ダ―の「一歩一歩慎重 に」の言葉に、ちょっとしたアクシデントが大きな事故になる個所ばかりだ。鎖、鎖が続いて現 れて気をぬくまもない。未熟者の私は、ゆっくりと歩を進めた。でも、この緊張感がたまらない 程愉しいのだ。 風穴尾根の頭から、先ほど通過した丁須岩、赤岩、烏帽子岩の展望がすばらしく「よく歩いて きたね」「あの上まで登ったんだね」と、しばし岩峰群にみとれてしまった。ここまで来れば一安 心、落ち葉の下の石に足をとられながらも、一気に三方境まで下った。 三方境から長い下り、明るい雑木林の梢に初冬のやわらかな陽射しがあたり、ところどころに 名残を惜しむ紅葉のモミジが、ひときわ美しく目立っていた。枯れ落ちた葉が一面に広がって いる様は、またそれも美しく、こんな光景をながめながら、いつまでも歩き続けたい気持ちであ った。 全員無事に山行を終え、感謝をこめてリ―ダ−と握手を交すメンバ―の顔は安堵と満足感 で晴れやかな表情だった。 丁須の頭 裏妙義核心部を登る
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