美ヶ原(焼山沢コース)
          
(2034.1m)   
                                   
2010.8.29(日)

過去の記録    1996.10.5  2005.7.25


コースタイム
浜川P5:00→→7:20焼山沢登山口7:30→トガの親木8:40→焼山の滝8:50
→水石10:40→牧場入り口10:55→牧場塩くれ場11:10→美しの塔11:20→王ヶ頭11:55〜13:00
→牧場出口13:25→焼山の滝15:00→焼山沢登山口16:00
  

何処か涼しい山を・・・と模索しているうち美ヶ原(焼山沢コース)があった。
美ケ原の北麓の焼山沢沿いの苔生す原生林を歩き美ヶ原の溶岩台地の高原に向かう。

美ケ原は100名山の一つでもあるが殆んど歩かずに山頂に立つことが出来る。
確かにはてしなく広がる高原状の台地から展望も良く素晴らしいところだが
100名山に相応しいかどうか疑問があった。
だが、焼山沢コースを歩き樹林から不意に開けた風景に圧倒され
美ヶ原はやはり100名山の一つに間違いはないと確信できた。




湯の丸ICから県道62号線武石観光センターを目指し
そこから1kmほど先の左側に焼山登山口がある。

このコースは96年版山と高原地図は破線コースに
なっているが最近はコースが整備され1km置きに
標識が設置されて登山道はしっかりしているらしい。

最新版2,010年の地図にはまったく登山道の表示が
ない。
こんな立派な登山口の看板だってあるのに・・・・
どうして?




登山口から20分くらいで丸太の橋を渡り沢の左岸へ。

途中にヘビがたくさん日向ぼっこしているとか。
ミミズも嫌いな私はヘビに出くわしたらどうしよう。
しかし清流の瀬音、苔生す岩の原生林、豪快な滝、
もうたまらないです。
この時期に行くっきゃないでしょう!


大きなシダの生い茂る道は石積みの石段など
良く整備されている。

トップを歩き出すともう、ヘビのことは頭から抜けていた。
木立の美しさ、瀬音の快い響きに山モードにすっかり
変わったしまった。


サンショウウオが生息すると言うこの清流は澄んで
冷たそうだ。

沢音を聞いているだけで体中に涼感を感じる。



トガの親木
トガの親木へ3分の分岐がある。
下山はきっと疲れ、たとえ3分でも寄り道は
出来ないであろうとトガの親木に立ち寄ってみた。

トガはこの村のシンボルの木。
樹齢400年、樹高18m、根回り3.8m
  

木洩れ日はやさしく、沢から吹き上げてくる風は
爽やかで快適に歩くことが出来る。
  

豪快な轟音にメンバーたちは一斉に左前方に目が集中した。
おー!素晴らしい滝だ。これが雄滝、雌滝だ
雄滝は本流から雌滝は支流から流れ落ちいるようだ。
マイナスイオンがたっぷりと吸収できそうだ。
まもなく○○を迎える3人はこれでまだ長生きできそうね・・・・・

マイナスイオン効果
ストレスの緩和、精神安定、疲労感の軽減、免疫力向上、呼吸器の機能向上、快眠、快食、
鎮痛、制汗等多岐にわたる効果があるといわれています。そのしくみは、呼吸や皮膚から取り入
れられたマイナスイオンは、血液を通って体全体をめぐり、細胞内の脂肪が酸化して乳酸が生成
されるのを抑えます。そのため新陳代謝を活発にし、各細胞の機能を活性化させ、疲労の回復を
促進する効果があります。自律神経の機能がよくなるため、内分泌線の機能も良好となり、中枢
神経や末梢神経にも好影響を与え、増血機能も増進します。そのため、抵抗力も増加し、身体全
体のバランスが良くなります。マイナスイオンは体の働きを鎮めてくれ、血管は拡張され、血圧
は正常になり血液もアルカリ性傾向になって血流が盛んになってきます。呼吸数も脈拍数も減少
し、疲労も回復しやすくなります。自律神経も安定しやすく、交感神経が活発に働きすぎた時は
副交感神経を抑える働きをします



本流から流れ落ちる豪快な雄滝 
      支流からしみ出るようなしなやかな雌滝





滝に見惚れて滝の手前のこの標識を見落とした。
滝の美しさにしばらく魅了されていると
先行した単独の男性からこの先の道が
崩壊して女性には無理ですよって・・・・

いよいよこの先は難しいルートか?
リーダーの私は責任上、ルートの偵察に
ましてや女性に無理と言われたら奮起倍増!(笑)

崩壊地を我武者羅に這い上がりルートの偵察です。
後にはベテランのH氏とTさんが付いて来てくれた。
ほっ!!




崩壊地を上がりきると、倒木をくぐったりしたが
やはりその先は下からの登山道がありました。

後続のメンバーたちは単独の男性と共に
迂回路を忠実に上がってきました。

ヤレヤレです。揃いに揃って皆さん滝に目を
奪われてしまった。



滝の上部からはトラバース気味の道は
片側の崖が切れ落ち足元に要注意です。



登山道は何度か支流を渡り返す。
後姿は先行の単独者
  【山たまご東海岳行

折角独りで静かなマイナーな山を訪れたのに
賑やかな10名のパーティーがくっ付いていては
気の毒と少々間をおきますが直ぐに一緒に
なってしまう。


山中にこんな標識が1km置きにあるから
迷うようなことが無い。



登山口に熊出没の大きな立て看板があったが
なるほど、木の幹に熊の爪あとがあちこちに
あった。

今日は10名でも無口な人ばかりだ?
熊よけ鈴が有効だ。




シラビソ、コメツガの素晴らしい樹林です。
花はまったく無かったけれどこの景観には
元気がでますね・・・・




水石
水石は石の窪みに水が溜まっている。
標識が二つあり、一つは真新しくどこにも
水石らしきものが見当たらない。

H氏が大きな岩陰の奥に発見!
ありました!!


水石からわずかで牧場ゲートに到着。
このゲート別名「天井ゲート」

尾崎喜八が
  「登りついて不意に開けた眼前の風景に
   しばらくは世界の天井が抜けたかと思う」
  と表現しているがその通りだ。

ゲートを境にゲートの向こうは真っ青の空と
草原が果てしなく広がっていたのだから。
薄暗い樹林から明るい草原、明暗がはっきりとしている。

私も初めて美ケ原をこのルートで訪れたら
感動は数倍も大きかっただろう。



牧柵に沿って塩くれ場まで歩くが
牛の落し物があちこちにある。

足元にはハクサンフウロ、ウメバチソウが
可憐に咲いている。

太陽がいっぱいだが高原の風は冷やかで
気持ちよい。


前方に熱い視線を感じた!
モウちゃんがジッと私を見ている。
ごめんね、直ぐ出るから、こっちにこないでね。

いきなりモウちゃんが立ち上がった。
おー!驚かさないでおくれ!

ゲートを出ると一般の観光客と遊歩道を王ヶ頭、
王ヶ鼻の予定だ。ところが美ケ原は初めてという
メンバーが2名いた。
予定を変更して美しの塔へ立ち寄ることにした。



林立するアンテナ群は最高峰の王ヶ頭



のどかな牧場風景



美しの塔付近は観光客や
100名山巡りの登山者でいっぱいだ。



美しの塔から遊歩道を40分で王ヶ頭に到着。
重装備な私たちは観光客やペットボトル1本持参した
ハイカー達からちょっと浮いた姿で片身が狭い。

バスでツアー登山者がぞろぞろ降りてくる。
「こんな所まで車で来たらあかんぞよ。
焼山沢コースを歩いてご覧よ。素晴らしいよ。」
と言ってあげたかった。




ランチタイムは王ヶ頭ホテル前のベンチで
ゆっくりと目前の景色をご馳走にしながら
頂いた。

高原は東西8km、南北10kmに広がり
高さは2000m超だから展望が素晴らしい。

生憎と今日は周囲から雲が湧き出て近くの
霧ケ峰がはっきりと見えるだけだった。



遊歩道沿いにハナイカリソウがあちらこちらに
咲いている。
地味だけど可愛いねー


  
  
名残惜しいが高原を後にし、再び苔生す樹林を
引き返す。

すると、往路に会った山たまごさんに再びであった。
茶臼山へ行ってきたそうです。


山たまごさんとはずっと前後しながら登山口まで
ご一緒した。

トリカブトの花に見送られて無事に今日の
山行は終った。

下山後、近くの  【うつくしの湯】500円
で汗を流し家路に向かった。

美ケ原は100名山から除いたいと思ったくらいだったが
此のーコースを歩き、尾崎喜八の詩が理解できて、美ケ原は間違いなく
100名山の名峰だと実感した

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