中山道を歩く (その15−2)

                                                             2012.9.2

                              第2日目 (和田宿〜和田峠〜下諏訪)

今日は中山道最大の和田峠越えだ。
碓氷峠で出会った旅人はこの峠はきつい和田峠のほうが楽ですよ。
この言葉は信じてしまったが、和田峠は距離が長いだけ大変だった。
また国道を何度も横断したり山道に入ったり、天候が不順でカッパを着たり脱いだり・・・・・
18人の行動はとにかく大変だった。


元気に サー出発!!
旅館近くのバス停から8:38発の巡回バスに乗車し、
昨日の終了地点和田宿バスターミナルまで向かう。       



今朝から危しい雲行きだ。
何とか降らなければ良いがと歩き始めて間もなく
ポツポツと降り出した。

人通りが少ない通りを悠然と歩く旅人達。


和田峠登山口
「新和田トンネル」へ向かう国道と旧道の分岐から
いよいよ和田峠を目指す。

アスファルトの道から山道に入るので
ちょっとモードを切り返す。



接待小屋跡(永代人馬施行所)

ここには湧き水が滔々と流れてあり
大きなボトルを持った数人が車で水をたくさん汲みに来ていた。
冷たくて美味しい水だったが道中が長いので
残念だが余分に持ち帰ることが出来ない


ビーナスラインを少し進み、再び山道に入る。
水量の多い沢に架る小さな木橋を何度か渡る。


自然林の中を拭きぬける風は爽やかで夏の暑さは
すっかり陰を潜めている。


ガイドマップに避難小屋とトイレのマークがあったが
トイレは扉は無く、泊るに勇気が要る。

熊出没の注意があり、木の幹には熊の爪痕がくっきりと。
和田宿から下諏訪宿まで宿泊できるような所が無いから
ここで一泊できたらいいのに・・・・・
横目で眺めて通り過ぎる。


歩き良い道は石畳に変わり、苔生して滑り足元が危ない。



11:40〜12:40
ビーナスラインにまた飛び出すと
目の前に力餅の旗が靡いていた。
丁度お昼の時間だ。
全員昼食持参していたにも関らず、ちからうどんと一人叫べば
それぞれ注文が殺到した。
ところが店主はこの天気でお客さんが来ないだろうと従業員を帰してしまった。

おじさん一人でてんてこ舞いだ。
大騒ぎでランチタイムが終り、時間が気になりだした。


旧国道を再び山道に入ると小さな沢の流れに沿って
こんなトンネルを抜けていく。距離は短いが薄暗く
幸い沢の水量が少なかったいいがトンネル内は
ピチャピチャと水の中は気持ちが悪い。
一人だったら気味悪く入り込めないようだ。


ビーナスラインを何箇所か横切り前方が明るくなると
和田峠頂上だ。
頂上の展望は良いらしいが、生憎の天気で何も
見えなかった。

ここから下りの歩き辛い道になった。


草むらを分け入ったり踏み跡がはっきりしなかったが
下諏訪町教育委員のなの「白杭」が目印になって
杭の間隔が短いからとても助かった。
峠の茶屋であった単独の旅人が迷った場所かもしれない。

西餅屋跡の平坦な場所から更に下って行くと
江戸から53里目の一里塚があった。


ここから道は左が崩落し、一人やっと通れる道幅だ。
滑ると沢まで直行してしまうから慎重に下る。

休憩したいが大降りの雨その上、道は細いし危険で
休んでいられない。


しばらく国道を歩く。
先頭の男性二人の姿はどんどん離れていく。
最後尾はまだ姿が見えず列は大幅に開いてしまった。
先頭を無視して疲れたので休憩。


メンバーの一人がリタイアしタクシーかヒッチハイクで下諏訪駅に
直行したいと・・・・・
(ヒッチハイク?若い娘ならともかく?)
少し先の国道の左手に水戸浪士の墓の標識があった
これを目当てにタクシーを呼ぶことにした。
同乗者が他に2名あったので3人としばしのお別れだ。


再び国道142号線と合流ししばらく行くと地下道を右から左に抜けて
住宅街に入っていく。
ところがメンバーの数人が広い国道を横断したが
皆、若いつもりでも高齢者だ。車が猛スピードで行き交う道路の
横断は至難の業、危険極まりないのだ。
自己責任といえ万一を考えてリーダーに従って欲しい。

私はもうリーダーを下りるぞ!! 疲れてくるとカッカと血が頭にのぼってきた。
と言ってもメンバー達は京都を目指して張り切っている様子だ。
一人でも多く一緒に三条大橋まで歩きたい!
これが私の本音なのだ。

木落し坂の碑
諏訪大社の御柱の神事で有名な木落し坂だ。
7年に一度御神木に跨いだ人をここから滑り落す急坂だ。
テレビで見るより実際は急勾配だ。
あー!ここから一気に滑ったら上った血も引いて気分良いだろうな・・・・・・・


予定の電車には間に合わないようだ。
そろそろ諏訪大社の春宮だが中山道の標識が見当たらず心配になった。
すると左に山の神神社の小さな鳥居があった。(やれやれ・・・)

うす暗い杉の中にひっそりと佇む小さな木の鳥居。
その奥に続く階段を上がって行きたい衝動に駆られた。
小さな山のてっぺんに何があるのだろうか。



春宮に下って行くとはるかに諏訪の町並みと諏訪湖が見えた。


4:40
諏訪大社春宮に到着。
何度か訪れているが万治の石仏が初めての方がいるので
境内から廻ってみた。


4:50  ユニークな万治の石仏
首が長くなったとか短くなったとかテレビで報道されたことがあった。

ここで今回の中山道は終了になった。
予定の電車の時間は過ぎてしまい
次の電車にはどうしても乗車したので下諏訪宿は次回にすことにした。

その前に下諏訪駅周辺の安い駐車場を探しておかなくてはならない。

ラッキーなことに駅近くに幸い町営の駐車場があり、
しかも時間の制限が無く観光客は無料と言う。
次回はここに駐車し春宮から日出塩を目指すことになる。

今回は体力、気力の疲れはピークになった。

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