南アルプス縦走
(千枚岳〜荒川三山〜赤石岳〜聖岳)
2012.8.15〜19
前回は椹島から荒川岳〜赤石岳〜椹島を歩いた。
その時のメンバー6人のうち三人が病に倒れ還らぬ人になってしまった。
親友の故みつるさんはもう一度このコースを歩きたいと目を輝かせていた。
今回はみつるさんの想いを胸に歩こうと、体力的に不安があったが一大決心の参加だった。
ところが出発直前にTさんの訃報に心は痛み、へ込み止めようかと思った。
しかし、頑張り屋のTさんは逆に煽るようではないかと複雑な思いだった。
CL椛沢 亀井、梶原、江積、大野、藤井
コースタイム
第一日目 8月15日 曇りのち小雨
市民P3:00→→畑薙第一ダム8:10→椹島ロッジ9:10→水場13:45→清水平13:50→蕨段14:40→千枚小屋17:00
第二日目 8月16日 晴れ
千枚小屋5:30→千枚岳6:40→丸山8:10→荒川岳8:45→中岳11:15→前岳11:35→荒川小屋13:45
第三日目 8月17日 晴れ
荒川小屋5:20→小赤石岳7:45→分岐8:10→赤石岳8:50→百間洞山の家13:10→
第四日目 8月18日 晴れ
百間洞山の家5:10→中盛丸山6:30→兎岳8:40→聖岳11:45→小聖岳12:50→聖小屋14:10
第五日目 8月19日
聖小屋5:00→岩頭滝見台6:00〜6:30→聖沢吊り橋8:45→聖沢登山口9:55→バス→椹島ロッジ11:15→バス→畑薙第一ダム12:20
第一日目
私達が乗った車は予定通り午前8時前に畑薙第一ダムに 到着した。 既に駐車場はズラッと車の列だ。 駐車場の隅にトイレも設置されてあった。 バスは直ぐに発車し、細い林道をクネクネとおよそ 1時間で椹島に到着。 椹島ロッジ周辺は大勢の登山者で賑やかだ。 近くの神社に安全登山を祈願して さぁ!出発だ! 今回は5日間の縦走、体力が持つか心配だ。 |
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千枚小屋まで緩急の登りが延々と実歩行6時間だ。 樹林の中、展望がなく景色は全く変わらず ただ、ひたすら一歩を出すだけ。 前回も蕨段の付近で猛烈な眠気に襲われ ゴロッと横になりたかった。 というのは前夜発で畑薙ダムで仮眠の予定が 環八の渋滞にはまり殆んど眠ることが出来なかった。 往時は後ろを歩いていた故M氏に励まされやっと 歩いた。 |
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鬱蒼とした針葉樹の森の林床は苔生し 静まり返り、時々小鳥のさえずりが響くのみ。 水場で出会った二人連れの中高年の男性一人は 中間地点寸前でリタイヤし椹島へ下ったそうだ。 他には会う人も無く静かな山。これが南アルプスだ。 中間地点あたりが最も苦しい所だった。 コイチヨウラン、ギンリョウソウ、シャクジョウソウから 元気をもらったのか、いくらか体が楽になった。 |
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歩き始めて8時間で千枚小屋に到着。 以前と違って小屋は新しくトイレも綺麗で快適な小屋に なっていた。 周りはお花畑でここで歩みが止まってしまった。 部屋は2階を独占できたが垂直の階段を上がることが 疲れた体には応える。 濡れたウェアを干すのにてんやわんや・・・ ストーブに当っていたおじさんが 「何処から何処へ歩くのですか」 「荒川三山から赤石、聖岳へ、」 「それゃ、凄いですね。普段トレーニングしているのですか」 「はい、毎週登山ですよ。」少々呆れ顔だ。 |
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第2日目 |
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昨日のおじさんが平均年齢は?と聞くのも無理からぬ話だ。 周囲を見渡しても中高年女性は私達だけだった。 |
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富士山の姿は何処から見ても神々しく 元気をもらえる。 千枚小屋から稜線に出ると、これから向かう 荒川岳の姿が立派だ。 南アルプスの懐に一歩一歩入り込む。 苦しい登りが続くが、目標の山が見えるなんて 凄い張り合いが良い。 |
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上空は真っ青な空が広がり、心を浮き立たせてくれる。 前回は千枚小屋から雨の中を歩き展望がなかった。 ところが今日は南アルプスの名峰北岳、塩見岳、 甲斐駒が岳、仙丈岳等など3000m級の峰々。 中央アルプスの空木岳、駒ケ岳。 千畳敷のホテルらしき白い建物まで雲海に浮かんでいた。 |
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タカネビンジ チシマギキョウ タカネナデシコ イブキジャコウソウ |
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前回 訪れた時はこんな岩場があったかしら・・・ 途中で山の崩落状態を調査している方に出会ったから 尾根が大分あちらこちらで崩れているようだ。 |
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稜線のいたるところにお花畑があった。 秋の花が真っ盛り。 どこも百花繚乱だ。 今回はお花に遠慮していただこうと 思ったが、あまりに色鮮やかに咲き誇っていたので ついついカメラを向けてしまった。 マツムシソウ、イワオオギ、チシマギキョウ、 タカネナデシコ、ミヤマコゴメクサ、トリカブト イアツメクサ、ハクサンフウロなどなど・・・・ |
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荒川岳三山の最初のピーク荒川東岳 なんやら空模様がおかしくなってきた。 |
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次々に現われるお花畑に疲れは失せてしまう。 | |
雲海に浮かぶ中央アルプス |
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荒川中岳 避難小屋があり数人のハイカーが休憩していた。 富士山を仰ぎながら我々も休憩。 |
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荒川前岳 前回はガスの中で前岳の分岐を見逃して山頂を 踏め無くて心残りの山だった。 今日はしっかりと山頂を踏んだ。 |
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どっしりした赤石岳は貫禄充分。 何処から見ても威厳がある山容だ。 荒川小屋までグングン下る。 |
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大聖寺平 | |
はるか下に荒川小屋が見えてきた。 小屋は例年お盆の頃から大分空いている。 二階に6人は陣取り、階段はいくらか傾斜があった ので昇降は楽だ。 水場トイレはここも外だった。 先ずは外のベンチでカンパーイ!! |
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第三日目 |
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朝4時30分からの朝食を済ませて赤石岳へ向かう。 富士山が今日も秀麗な姿を現した。 |
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いよいよ3000m峰四座目の赤石岳だ。 | |
赤石岳 ここから先は私の未踏の尾根だ。 心が高揚する。 少々顔が浮腫み状態になってきた。 |
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百間平 平坦なここは名前の通り広く、平で休憩に最適だ。 もう百間小屋が間近だ。 ゆっくりと時間調整しながら大休憩。 のんびりしていたら遠くで雷鳴だ。 大急ぎで小屋へ向かった。 |
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岩場も皆さんすいすい下る。 | |
トウヤクリンドウ タカネビランジ(ピンク) |
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雷鳥 今回は二箇所で雛を連れた雷鳥に出会った。 小屋近くなって雷鳴が大きくなり クワバラ クワバラ・・・・・・ 大降りにならないうちに小屋に到着した。 |
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百間洞山の家 以前から泊りたいと思っていた小屋だ。 私の期待以上の山の家だった。 管理人が定着しない、従業員の応募が無い。 これ程山深ければ、それも頷ける。 現在3歳の子供を持つ若夫婦が切り盛りしていたが 多忙にも拘らず手際の良さ、応対の良さは絶賛したい。 食事は殆んど手作り 夕食の揚げたてとんかつ、千切りキャベツ、サラダ 味噌汁、ご飯は圧力釜で炊いてあり、これが旨い! トイレも1階まで下りて小屋内だから雨が降っても 大丈夫。だが、3階の部屋まで上がると息が切れて 私はハアーハアー苦しくなって、リーダーは大丈夫? 心配顔だった。 |
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第四日目 |
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翌日、大沢岳を巻き、兎岳、中盛丸山のアップダウン 最終の目的の山、聖岳が素晴らしい。 |
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兎岳山頂 若い学生達がウサギの恰好して写真を 撮っていたので私も真似してみたけれど・・・・ |
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苦しい登りだったが、4日目の今日は 一番気合の入る場所だ。 体も慣れて思ったより歩き良かった。 |
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バンザーイ! 三度目の聖岳の山頂だ。 生憎 ガスに包まれ周囲は真っ白だ。 前回2回は快晴で目前の赤石岳、兎岳、眼下の 百間洞山の家に魅了されたのだが残念。 撮影後、雨がポツポツ・・・・ 奥聖岳は今回はパスすることになった。 |
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もう聖小屋は直ぐだ。 ここも建て直しされ清潔感ある小屋だ。 難をいえばトイレが遠い。でも水洗だし綺麗なので 文句は言えない。 |
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第五日目 |
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朝食はおにぎりにして頂き5時小屋を出発。 シラビソやコメツガの針葉樹の中をひたすら 下る。 |
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山腹をこのような鉄製の桟敷が何箇所も設置され |
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聖沢登山口に到着は予定通り10時ちょっと前。 10時のバスに間に合うように懸命に歩いたのに バス停には大勢の若者に先を越され 私達は椹島ロッジまでバスで戻り、再度畑薙第一ダム まで乗車した。 |
下山後は白樺荘日帰り温泉で5日間の汗を流した。
温泉の有り難味を痛切に感じた。
聖小屋でお薦めのイワナおろし蕎麦は950円、美味しかった!生ビールももちろん!
夢中で食べてしまい、写真を忘れてしまった。
帰路は渋滞に巻き込まれたが無事に我が家に到着は夜10時半過ぎだった。
今回はパソコン状態が悪くアップできればラッキーという所だ。
まだまだ書き込みしたかったが、欲を出すことは出来ない。