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出かける前日、平岩駅から糸魚川へ戻る大糸線が不通の情報が
有ったので問い合わせしたりで天気予報は頭から消えていた。
兎に角、現地まで行って考えましょう。
糸魚川市は被害の情報はないと、初日は舗装の道だしと軽く考えて
出かけたのだったが、、、
糸魚川駅に到着すると小雨模様だった。
駅の南側アルプス口に車を駐車し、駅の通路を北口日本海側に
ある道路元標へ向かった。 |
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北口から真直ぐ北に向かって旧北陸道と松本街道の合流する
道路元標を目指した。
糸魚川町道路元標を起点に松本市まで塩の道は続いている。
直ぐ北に日本海が見えていた。
さて、ここから塩の道が始まるだが、、、
白馬通りには路面に塩の道と書かれて
「案外、解りが良いじゃない・・・」
楽観したのがいけなかった。
線路の手前で地図を確認すべきだった
あっちだこっちだと・・・
国道148号線へ向かったのが間違いだった。 |
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姫川は台風の影響で濁って流れの音も豪快な響きだった。
国道を歩きながら「何か変だよね、、、道が違うんじゃ(-_-;)」 |
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お腹が空いたし小雨模様なので大糸線の無人駅のひめかわ駅舎に
寄り腹ごしらえしましょう。
地図を確認するとやはり違っていた。
国道から線路の東の道へ行きたいのだが、線路を横断する
道がない。
やっと、線路を渡り民家に寄り、塩の道を尋ねると舗装の道を
美山公園へ登り上げるのが早いと言われた。 |
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と言うわけでフォッサマグナの長ケ原遺跡はパスしてしまった。
美山公園入り口の歩荷像
塩の道は牛がすり替われるように幅広の道だ。
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牛清水
牛の水飲み場だったのでしょうか 塩の道・千国街道は、何故、馬でなく牛か?
馬が歩けないほどの地形を牛は歩くことができる。山道が急な、
塩の道には適していた。人が手を使わないと登れない急坂は、牛は無理歩けないが、人が歩ける斜度は、牛も歩ける。
牛は塩の道で欠かせない運搬手段だったらしいです。
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塩の道の小さな標識に安堵する。
公園を後にして大野の集落へ下る。
雨は強くなり傘の出番になってしまった。 |
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またもやここの分岐で迷ってしまった。
石の標識に
塩の道新船 左 原山、、、右 仁王堂、、、
確かに上から下ってくると右は直進になるのだが反対から歩いてくると
右に行かなければならない
あぶない!あぶない!
仁王堂へ目指す。 |
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十王堂
十王とは仏教と道教とが混じり合って伝えられ信仰されたものと
云われており、閻魔大王をはじめとした、死者を司る10人の大王。
三途の川で閻魔大王により天秤にかけられる。
十王堂は村の出入口にある場合が多い。
確かに大野集落のはずれになるようだ。
直ぐに大野神社が右に有り塩の道に間違いないと確信した。
ここから道は緩やかな登りになった。
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道の分岐に石の道標があり助かる。
中山峠に入る山道の手前に休憩所がありトイレもあった。
有難いです。
休憩舎の写真を撮り忘れてしまった。 |
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休憩舎の反対側にある中山峠への山道に入る。
旧松本街道 塩の道
やっと 舗装道路から いにしえの古道の雰囲気の道になり
ホッとした。
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ウトウの道
人、牛の往来により、道がU字に削られた場所。
塩の道では、峠付近に多い。
ウトウと呼ばれる切り通しは、道の勾配をゆるく調整するために
人工的につくられたもので道標・茶屋跡などがあり、雑木林の中に
交易路の遺跡を見つけることがでる。
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誰にも行き会うことはが無かった峠道で熊除け鈴を付けることにした。
緩やかな坂道を登り上げると中山峠
ここから下りと思いきや・・・
アップダウンの道が続き、結構疲れた。 |
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展望は全くなく只只ひたすら樹林の中を歩くだけだ。
舗装された道に出ると標識があり、私たちは仁王堂へ向かう。 |
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樹林の中は雨が気にならなかったが、展望が無く只ひたすら
歩くのみだった。
根知の集落に出てやっと山の姿が見えて周囲の景色が見えたので
一安心だった。
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仁王堂
苔むした石段を上がった処に小さなお堂があった。
脚はヨタヨタして階段を下るのがやっとだった。7
次の目標は今宵の宿シーサイドバレースキー場の
ホワイトクリフだ。
通りがかりのおばさんに山口のスキー場を聞くと驚いたように
「えー!歩いて行くの!遠いよ!!」
この仁王堂から根知小学校を通り過ぎ、およそ50分の上り坂、、、
疲れ脚はのろのろ一向に捗らない。
根知小学校を過ぎて振り返ると学校は何時になっても私たちから遠ざからない。
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黄昏始める頃、ようやく宿に到着。
翌日の天気も☂マークだ。
止めましょうか・・・
明朝、考えよう・・・ |
二日目 10月15日
大網峠越えコース
越後の山口関所跡から大網峠(おあみとうげ)を越え、江戸の中期から荷継ぎ場としてにぎわった大網集落を
結ぶコースです。道中には、往時の旅の過酷さを物語るように、道沿いに多くの石仏、石塔が見られます。
起伏のきついコースなので上級者向きですが、変化に富んだコースです。
ホワイトクリフ8:40→山口資料館8:55→白池3km標識9:05→???
軽トラで白池駐車場まで乗車(-_-;)
白池P10:35→白池10:45→角間池休憩舎(11:20~11:45)→大網峠12:00→屋敷跡12:25→茶屋住居跡12:50→菊の花地蔵13:00
→滝の平牛の水飲み場13:30→つり橋14:10→塩の道千国街道(大網)14:20→六地蔵14:50→石仏群14:52→
姫川温泉 瘡(くさ)の湯温泉15:40→平岩駅15:45
平岩駅発16:45~大糸線~糸魚川着17:20 乗車賃420円 |
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朝食を7時に予約していたのだが、なんと!!、6時起床が
目が覚めたのが6時半!
荷まとめに時間がかかり天気予報は雨だったが出発時は曇り、、、、
どうしようか迷いながら雨具の身支度し出発が8時40分に
なってしまった。
まだ、降っていないし、とにかく行きましょう!
仲間はすこぶるやる気十分だ。
歩き出してから直ぐに古民家風の山口道の駅資料館があり、
寄ってみると鍵がかかっていた。
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標識があり舗装された上り坂を行くと 次第に視界が開けて
見晴が良さそうだが生憎くの曇り空だ。
晴れていたらさぞ周囲の山が見えて気分が良いのだろうな・・・
大好きな雨飾山の姿が見たいがすっぽりガスに覆われていて
どうにもならない。
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路傍の愛らしい双胎道祖神
舗装された道は次第に高度を上げ、けれど塩の道の標識は
見当たらなくなってしまった。
枝道はあったが何の標も人家もない、少々心細くなり、
ようやく畑に焚火の煙を見つけて、庭から声をかけて塩の道を尋ねると
はるか下の工事中の道から上がって行くと言われた。
ここでロスタイム(-_-;) |
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主のおじさんが軽トラで白池の駐車場まで送ってくれると言う。
目的の白池に一番近い所まで案内してくれた。
軽トラの荷台にしがみ付きながらロングコースのショートカットは
有難い。
ラッキー! 謝礼に2000円無理に受け取っていただく。
分岐の個所が工事中だったので標石があったのかどうか
見落としたか?軽トラの荷台に乗りロスタイム分を一気に挽回。
ここから次の目的地白池に向かうことにした。 |
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白池の休憩舎とトイレ。
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白池
見る場所、角度、光の加減で湖面の色を変わるそうだ。
靄っていてコバルト色の池は幻想的な風景だ。
ガイドブックでは雨飾山が見えるとか・・・
残念ながら今日は展望は全くなくがっかりだ。
雨飾山は私の好きな山の一つで小谷温泉から2回、雨飾り温泉から
1回歩いているがどちらもきついコースだが
雨飾り温泉からの方が印象深い。
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白池諏訪社石祠 後で知ったのですがこの場所が御柱祭のスタートと
なる場所だそうです
白池の周辺は散策路があるようだ。
でも、熊出没の看板に再び熊除け鈴を付けた。
台風直後で昨日から誰にも会わない。
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小雨模様のこんな日は山道は静かすぎて心細い。
ボッカ宿跡
かつてボッカ宿があった所。
文政7年(1824年)戸倉山から大雪崩があり12月17日朝、全て
押し潰されてしまい、宿泊者15人中12人、家人12人中9人が即死と言う大惨事が発生しました。それ以来ここにボッカ宿は再建されませんでした。
供養の地蔵は山口に移されてあるそうです。
何時の時代にも自然災害があるのですね・・・ |
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角間の分去れ
長野県に入ってから新しい石柱が立っていて心強い。
右 大網峠
左 白池 |
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道は石ゴロで歩きづらい。
山道はチョロチョロと水が流れ、ぬかるんだ状態だ。
いつの間にか小雨模様になっていたが樹林の中で、苦にならない。
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角間池
小さな休憩舎が有ったのでランチタイムにした。
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この池は アマゴイルリトンボ(国内分布南限)ほか高山性の
ルリイトトンボなど多数の昆虫類が生息しているそうだ。
山の中の静かな池、幻想的な風景だった。 |
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12:00
大網峠(おあみとうげ)
右 山口
左 大網
ここからはぐんぐん下りのみ。 |
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道は悪路、沢状のぬかるんだ道で苔が生えていて歩き難い。 |
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屋敷跡
山道は今回の台風の影響ではないけれど、大きな倒木を跨いだり
気が抜けない。
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菊の花地蔵
上に斜面に小さなお地蔵さまが鎮座していた。
菊の花とは、この場所の地形のことらしく鼻の
張り出したような形をしていたからで、菊の花が咲いていたわけでは
無いようです。
ふと見上げると杉の大木の根元には可愛らしい小さなお地蔵様
が鎮座していた。 |
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ゴーゴーと沢音が近づいたと思ったら道は途切れ沢の向こうに
道が続いていた。
えー!ここを渉るの!
台風の後は水量も多い。
でも、ここは難なくクリアできたが、渡渉は下に行くほど小さな沢から
水が集まってくるので水量が増えていくようだ。
それより山道が崩落していなければ良いが、、、
少々心配になった。 |
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一難去ってまた一難!
滝の平・牛の水飲み場
牛にとっては、この滝は難所であった。滝の落ち口に、岩盤を削り、牛が飲み易いように水のみ場が造られている。牛に対する労いが感じられる。
塩の道・千国街道は、何故、馬でなく牛か?
馬が歩けないほどの地形を牛は歩くことができる。山道が急である、塩の道には適していた。人が手を使わないと登れない急坂は、牛は無理歩けないが、人が歩ける斜度は、牛も歩ける。
ここで小休止しおやつタイム。
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牛も難所だったらしいが人間も難所だ。
急流の大きな沢で右が滝になっている。
ゴーゴーと凄まじい水の音に負けそう!
滑らないように ゆっくりと行きましょう!!
しっかりと三点確保で慎重に向こう岸に渡ることが出来てホッとする。 |
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無事に渡渉し、山道が崩落していませんように、祈るばかり、、、
おー!やれやれ
大網峠越えの標識の先につり橋が見えた |
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横川のつり橋
横川の渡りは、塩の道・千国街道の難所のひとつでもあり
川幅が狭まり断崖の岩を利用して架けられているそうです。
橋の上に濡れ落ち葉落ち葉が滑りやすい、慎重に渡りましょう。
やがて広い轍の付いた林道に出たからこのまま林道を行くと
思いきや・・・
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塩の道は左に矢印が向いていた。大網へ・・・
まだまだ登る?
最後の登りだ!頑張ろう!
小石の重なった道を標識通りに登って行くと暗い杉林の中に人工物の
鉄塔が見えた。 安堵する。 |
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登り上げたところに赤いお掛けをした
六地蔵
石工の思いが1体1体に込められている。
六地蔵は、火葬場があった場所に祀わられていることが
多いそうです。
なんだか気味悪いような気分だったが、集落を近くに感じられた。 |
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六地蔵の先にズラッと並ぶ石仏群、旅人の安全を祈願するために
並べられたといいます
道は下りになった。 |
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荷継ぎ宿として栄えた大網集落
信越国境の地であったため、歴史上、軍事、塩の道の要所であった。牛方宿、歩荷宿、そして、塩を中継する荷継宿があり栄えていた
うす暗い杉林の先に明るい大網の集落が見えた時は本当に
嬉しかった!
古いお墓や石仏が多く残る大網集落は昔から多くの人が
居た証である。
集落に入った所で移動販売の車で買い物していた
おばさんに平岩駅を聞くと親切に教えてくれた。
舗装のみちをてくてくと歩くことおよそ50分ほどでひめかわ温泉に出た
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途中で乗車予定の平岩発15:06の大糸線の電車の音が
ゴトゴト聞こえた。あー、もう間に合わない。
かけ流しの温泉
姫川温泉 瘡(くさ)の湯温泉
次の電車のまで1時間ほどあるので温泉に入りたかったが、
何より雨具を脱いで荷物の整理をしてベンチでゆっくり休みたかった。
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5分ほどで平川駅に到着。
無人の駅で、ゆっくり着替えしコーヒーでおやつタイム。
「あー!疲れたー!」
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16:45発 大糸線糸魚川行きの電車に乗り (乗車賃420円)
無事に糸魚川駅に到着。
コンビニの暖かいレモンティは最高に美味しかった。
次回はこの平岩駅から小谷村へ向かう。
今度のコースは中級なのでいくらか今回より楽に歩けるかな。 |